気仙沼の水産加工業の復興で説明会

 気仙沼市の水産加工業の早期復興をめざす「ゴーヘイ!気仙沼の会」主催による説明会「水産加工業の早期復興と食品産業の集積地をめざして」が都内で27日開催された。同市では水産加工業の復興を図るため、気仙沼市内の鹿折、南気仙沼、赤岩港地区の3地域の水産・食品加工団地を整備し、県外からの水産食品企業の誘致を行なう。誘致にあたっては、各種優遇制度を適用する。

菅原市長「まず産業復興と雇用を」

説明する菅原市長

 菅原茂市長は気仙沼の復興状況について次のように語った。
 「震災によって市では死者1039名、行方不明244名、震災関連死103名を出した。被災家屋は2万2359棟、被災世帯数は9500世帯、浸水面積は全体の5.6%、地盤沈下は概ね70cm〜1m。4102事業所のうち8割が被災、3万232人の従業員のうち83%が被災した。また、震災前の人口は7万4247人だったものが6万9347名となっている。
 しかし、現在では、世帯数が増加し、回復傾向が見られる。水揚げも戻り、加工業者の一部で再開している」。
 「市では震災復興計画を策定し、産業と雇用の復興、津波ゼロのまちづくりのため、住宅では1000年に一度の津波(L2)でも被害が出ない、事業所では数百年に1度の津波(L1)でも被害が出ない街づくりを推進する。このため、2015年度までに7.2mの堤防の完成をめざす。インフラの整備は三陸自動車道路の整備が加速され、5年後には仙台まで1時間半のアクセスとなる。産地市場を整備する際はEU輸出可能なHACCP対応とする」。

3地区に水産加工団地、各種助成金も

 「地域ブランドの推進も図っていく。気仙沼市では水産業の再生により、産業振興と雇用の回復を図ることを最大の政策に掲げている。水産食品加工集積団地を造成している。今年7月に鹿折地区の17社で水産加工組合を設立した。今後も新たな企業の進出を待っている」。

 続いて市職員が「日本一活気あふれる水産都市へ 水産業の現状」と「食品加工団地における取り組み」を説明した。
 加工団地の計画では、市内の鹿折、南気仙沼、赤岩港地区の水産・食品加工団地の整備を進めている。鹿折、南気仙沼は土地のかさ上げを2013年秋までに終了、12度末から分譲を開始する。赤岩港地区は、14年度までにかさ上げなど造成工事を終了する。
 さらに別の3カ所の調査も行なっている。企業の進出では、各種優遇制度として民間投資促進優遇税制、水産業共同利用施設復興整備事業の補助金、津波・原子力災害被災地雇用創出事業立地補助金、気仙沼事業立地奨励金、みやぎ企業立地奨励金、地域公用開発助成金、事業復興型雇用創出助成金などが受けられる。