厨房用の芯温管理システムで特別賞を受賞
温度監視記録システムを開発するタイムマシーン��（東京都中央区、前田一樹社長）は新サービスの中心温度記録管理システム「ＡＣＡＬＡ ＦＴ（アカラエフティ）」で、東京都が主催する「2021年 世界発信コンペティション」サービス部門の特別賞を受賞した。
ＨＡＣＣＰ対応を求められる厨房の衛生管理をペーパーレス化、ＤＸ化するサービスとして高く評価された。初期費用がかからず、月額１万1000円からと安価な定額料金で導入できることも評価のポイントに挙がった。
ＨＡＣＣＰで最も重要な記録の中に調理加工後の食品の中心温度がある。ＣＣＰ（重要管理点）と呼ばれるこの工程管理について、工場向けシステムは存在していたが、狭い厨房では利用しづらく、実際の現場では人手による温度測定と帳票への手書き記録が続いていた。油にまみれた帳票の管理は不衛生であり、長年の課題とされてきた。
タイムマシーンが開発した「ＡＣＡＬＡ ＦＴ（アカラエフティ）」は芯温計で測定した食品の中心温度をクラウド上で管理するシステムで、人手による記録作業の負担を軽減したり、手書きの帳票を不要（ペーパーレス化）にしたりできる。
中心温度記録管理システム「ＡＣＡＬＡ ＦＴ」は厨房での利用を想定し、芯温計はハンディ
タイプを開発した
芯温計は軽量・コンパクトのハンディタイプで厨房でも利用しやすい。ＮＦＣ（近接型無線通信）に対応しており、計測した温度データはAndroidベースの専用端末で読み込むことができる。端末からはＮＴＴドコモの携帯回線を使用してクラウドに転送する。
これによって記入忘れやミス、記録改ざんを防げるほか、温度異常の遠隔監視も可能になる。特に厨房で最も面倒とされる「加熱→急速冷却→保存→再加熱の連続工程をモニタリング可能にしたことで実用性が各段にアップした」（前田社長）という。
特別賞を受賞した「世界発信コンペティション」は都内の中小企業を対象に革新的で将来性のある製品や技術、サービスを表彰するもので、今回は製品・技術部門とサービス部門の２部門で計27社が入賞した。受賞企業には開発・販売奨励金が交付された。