マレーシアの合成ゴム手袋大手と提携
日本初の硫黄を含まないゴム手袋、アレルギーを抑制

 ミドリ安全は業務用合成ゴム手袋(ニトリル手袋)で世界第2位のシェアを持つコーサン社(マレーシア)と業務提携し、硫黄をほとんど含まない薄手の使い捨て業務用合成ゴム手袋「ベルテ キマックスセブンセンス」を来年3月に発売する。硫黄の発塵を大幅に軽減し、アレルギーの発生を抑制する。

ベルテ キマックスセブンセンス

 コーサン社が2009年に開発した化学合成技術を用いて、従来、合成ゴムや天然ゴムの製造に不可欠とされた硫黄の不使用を実現した。これにより、アレルギーが発生しにくく、また強度の向上とともに、表面からの発塵が極めて少なくなった。
 同社によると、従来のニトリル手袋は強度、耐油性、耐薬品性、微生物・ウイルス侵入防止に優れており、幅広い産業分野で年間300億枚以上使用されているという。しかし、製造過程で添加される硫黄により、アレルギーが発生しやすく、また発塵を完全に抑えることができなかったという。女性スタッフが多く、長時間の装着が求められる食品工場や医療現場では、アレルギーが問題となっており、クリーンルームではより高い防塵性が求められていた。

握手を交わす松村社長(左)とリム グアンシア社長

 1日開催した発表会では、ミドリ安全の松村不二夫社長とコーサン社のリム グアンシア社長が、化学合成技術の支援と用途展開協力、日本と中国、東南アジア市場でのマーケティング協力を内容とする業務提携書に調印した。
 「新製品は従来品にあった問題を大幅に改善し、価格もほとんど変わらないため、IT、食品加工、医療現場など幅広い産業で大きな需要が見込まれる。クリーン用の発売を皮きり、各産業分野のニトリル手袋を順次開発する。初年度は5億円の売り上げを見込む」(同社)とした。