エーザイF・ケミカルの株式取得、食品機能材事業促進

 三菱化学と三菱化学フーズ(MFC)は、MFCがエーザイとエーザイフード・ケミカル(エーザイの100%子会社「EFC」)の全株式を取得する株式売買契約を締結したと発表した。株式の譲渡期日は16年2月1日の予定。
 EFCはエーザイの食品・化学事業部の分社化で04年4月設立。健康食品や酸化防止剤として用いられるビタミンE、食品の日持ち向上に用いられるリゾチーム製剤をはじめ、医薬品・化粧品、食品・食品添加物、栄養・健康食品の各分野で、科学的なエビデンス(証明)に裏付けられた製品を開発し、世界30カ国以上で販売している。
 MFCは三菱化学の食品機能材事業の中核を担う100%子会社。「おいしさと健康をもっと身近に」をモットーに、食品用乳化剤であるシュガーエステル、カロリーゼロの甘味料であるエリスリトールのほか、酵素、乳酸菌、日持ち向上剤など多くの機能性食品素材を開発し、国内外で販売している。
 三菱化学とMFCは、EFCの株式取得で食品用乳化剤と酸化防止剤(ビタミンE)で国内最大手となる。それぞれの製品や技術、知見を組み合わせることで、食品の物性調整や風味劣化の抑制、微生物制御などの課題に対するソリューション力が飛躍的に向上する。
 これにより、MFCが得意とする加工食品の分野だけでなく、EFCのプレゼンスが高く今後の市場成長が見込まれる健康・栄養食品や、中食分野でもより高度な提案が可能となる。今後の両社の事業成長に繋がるものと期待している。
 三菱化学とMFCは、EFCの株式取得を契機に、両社の技術を統合した新製品の開発、三菱ケミカルホールディングスグループのリソースを活用した海外展開など、食品機能材事業の持続的成長を図る。