酢酸菌をテーマに醸造家と体感イベント開催

 キユーピーは酢酸菌入りの「にごり酢」と「コンブチャ」を生産する全国の醸造家を招き、酢酸菌をテーマにした体感イベントを都内でこのほど共同開催した。

 酢酸菌はアルコールを発酵させて酢に変える菌の総称。「にごり酢」は酢酸菌を多く含む黒酢やバルサミコ酢などのことで、「コンブチャ」は紅茶や緑茶を酢酸菌で発酵させた飲料のこと。日本では「紅茶キノコ」として知られる。

 キユーピーによれば、市場に流通している酢とコンブチャの多くは発酵後に精密なろ過処理を行っているために透明で、酢酸菌をほとんど含んでいないという。つまり希少性が高いことがわかる。このため、最近は酢酸菌に対する評価の見直しが進み、ろ過をしない昔ながらの製法にこだわる醸造家が増えている。

        発酵食品の香りを楽しみながら会話を弾ませる来場者たち

 今回のイベントにはカネショウ(青森県弘前市)や大泉工場(埼玉県川口市)、戸塚醸造店(山梨県都留市)、淡海酢(滋賀県高島市)、+Kombucha(名古屋市)、尾道造酢(広島県尾道市)、庄分酢(福岡県大川市)の7社が東京下北沢の「発酵デパートメント」に集結し、当日集まった発酵ファンに製品の特長やこだわりを披露した。

 酢やコンブチャの醸造家は全国でも20〜30社しかなく、会場は江戸時代から続く伝統製法や、欧米から学んだコンブチャ造りの技法を知る貴重な交流の場となった。イベントの様子はインスタグラムでライブ配信した。

 キユーピーはマヨネーズの製造に欠かせない酢と酢酸菌の研究に長年にわたって取り組んでおり、酢酸菌を高濃度に含むにごり酢を世界で初めて大量生産することに成功したり、酢酸菌が免疫バランスを整えることをヒト臨床試験で確認するなど成果を挙げている。近年は酢酸菌の原料供給にも力を入れている。

      醸造家が参加者からの質問に答える様子をインスタライブで配信した

酢酸菌の健康価値や日常生活での取り入れ方を発信する有志の集まり「酢酸菌ライフ」の参画
企業は10社、今回のイベントには商品写真が掲載されている7社が参加した