スチール缶リサイクル協会によると、2011年度のスチール缶リサイクル率は90.4%で過去最高を記録。経済産業省ガイドライン目標の85%以上を11年連続で達成した。11年の世界の粗鋼生産量は15億1000万tと史上最高を記録、日本では年間生産量1億tを維持した。
11年度のスチール缶リデュース率は1缶当たり4.71%(1.68g/缶)の軽量化を実現。第2次自主計画目標である「15年度までに04年度実績比4%の軽量化」を前倒しで達成した。
同協会ではスチール缶リサイクルの動向を調査している。それによると、飲料用スチール缶の材質が高品質であることは、受け入れ先である鉄鋼メーカーには以前から理解されているが、リサイクル事業者にも周知が拡大しているという。
スチール缶の一部は高付加価値化のためシュレッダー処理し、スチール缶スクラップ(Cプレス・Cシュレッダー)以外の規格で製鉄原料として鉄鋼メーカーが受け入れている。シュレッダー設備の高性能化で鉄スクラップの加工精度が向上してきたため、異物の多いCプレスや質の悪いCシュレッダーがシュレッダー処理され、高付加価値化につながった。
各自治体の分別排出の方針に沿って、地域住民による分別排出への協力の度合いが高まり、スチール缶スクラップの品質は全般的に向上している。ただし、自治体間での品質にはいまだに大きなばらつきがある。自治体が受け入れている事業系のスチール缶スクラップの品質は、家庭から分別排出されるものよりも一般的に劣っているという。