日本製パン製菓機械工業会は今年度通常総会を石川県加賀山代温泉で24日開いた。
総会では、増田文治理事長(マスダック社長)を議長に選出。昨年度の事業報告・決算報告、今年度の事業計画、今年度収支予算・経費の賦課徴収方法と加入金額、役員選任に関する件の議案を、原案どおり可決決定した。
終了後の理事会で増田理事長を再任した。常務理事2名、理事6名、監事1名が交代した。
増田理事長は「国外ではイギリスのEU離脱問題、イスラム過激派の問題など、国内では少子高齢化が進む中で、いろいろな仕組みが大きく変化し始めているのではないかと感じる。
不透明な状況の中、当工業会はパン・菓子業界のユーザーのことを第一に考えて取り組んでいかなければならない。
パン業界では、パン支出額が昨年大きく伸張したとのこと。小麦粉の使用量が大きく増えない中で支出額が増えたということは、商品の高付加価値化と脱デフレへの取り組みが功を奏しているのではないかとみられる。
菓子業界では、コンビニでの売上げ増やインバウンド需要をうまく取り込んだことで全体としては、売上げが伸びているようだが、地方の中小の菓子店についてみれば依然として厳しい状況にあることに変わりはない。
このような中で、当会会員の製パン製菓機械の昨年の売上げは、前年対比10.9%増の約690億円と大きく伸張した。要因は、大型受注案件の獲得と輸出の大幅な増加であり、会員の中で大きく生産額を伸ばした企業もあると聞いている。
注目を集めているインバウンド消費は今後少しずつ落ち着いてくるとみられるが、海外ツアー客は増加傾向にあるので、おいしい菓子やパンを日本で食してもらい、日本の味を広めていければと思っている。
先日、シンガポールで開催されたFHA2016(フード・ホテル・アジア)には、工業会として大々的にパビリオンを出展し、出展者から大変好評を得ることができた。上海のベーカリーチャイナ2016にも多くの会員が出展した。
グローバルマーケットへの取り組みは今後ますます重要になってくると思うので、工業会として、いろいろな形で会員の皆さんの活動を支援していきたい。
本年度は、いよいよ2017モバックショウの開催年となる。今回のモバックショウでは、多くの若手が実行委員会に加わった。実行委員には将来の工業会を支える人材に育ってもらいたい」と挨拶した。