電子ペーパー表示システムを共同開発

 セイコーインスツルは「電子ペーパー表示システム」を活用した製造業・物流業向けシステムを、積水樹脂キャップアイシステムセイコープレシジョンと共同で開発した。電子ペーパーは小売店の電子棚札に多く利用されているが、省エネで取り付け場所を選ばず、一括更新が可能などの利点を幅広く呼びかける。
 メモリ性液晶を利用した電子ペーパー端末、無線中継機、管理ソフトで構成している。特に仏Nemoptic社が開発したメモリ性液晶技術を利用した自社製造の電子ペーパー端末は、画面を書き換えた後、表示に電力を使わない省エネルギー型が大きな特徴。リチウムコイン電池1個で5年間の長寿命を実現、環境に配慮した端末となっている。
 コントラストも高いうえ視野角も非常に広く、視認性に優れている。フルドット表示により品名、品番だけでなく、各種画像やバーコード、QRコードなどの表示も可能。
 このシステムは小売店の商品棚などの値札を電子化した電子棚札として多く利用されている。同社は省エネで取り付け場所を選ばず、一括更新が可能といった特徴を活かし、小売店だけでなく物流分野、製造分野などでの活用を検討してきたという。
 今回、その最初の取り組みとして積水樹脂キャップアイシステムのピッキングシステム「キャップアイシステム」とセイコープレシジョンの統合エンタープライズシステム「SPEED−WORKS」とシステム連携し、それぞれ販売する。

 キャップアイシステムは制御コンピュータからネットワーク化された「アンサーキット(表示・応答装置)」を棚や架台に取り付け、ランプを消滅することにより商品・場所の指示とピッキング数を表示を行ない、ピッキング作業を簡略・単純化するシステム。システムを導入することで、今まで紙に印刷などしていた商品名称やバーコード、在庫数などを電子ペーパー端末で表示することがでる。これにより作業時間やミスが減り、生産性がより向上する。
 SPEED−WORKSは製造業を中心としたMES(製造実行システム)を構築するために必要なミドルウエアを部品化したオープン系開発実行環境。各種のデバイスドライバを装備しており、製造現場内のデバイスと接続し、統一した簡単なインターフェイスで全ての送受信を行なう。