豆乳の消費量はここ2、3年増え続けており、2011年の生産高は22万tを超えて過去最高を更新した。日本豆乳協会の重山俊彦会長(キッコーマンソイフーズ社長)によると、購入する人の半分以上が「健康にいいから」と答えるなど豆乳が消費者の健康志向にマッチしている点をあげる。さらに「おいしい」、「飲みやすい」なども評価され、消費市場は安定してきたという。
重山会長
年齢層としては中高年に馴染みが深いのはもとよりだが、近年は若年層、とくに若い女性の利用者が増えているという。「美容にいいから」という評価が高いのも女性層の取り込みを後押ししている。運動をしたあと30分以内にプロテインを摂取すると肉体疲労にいいということから、粉末剤のプロテインを飲むアスリートが豆乳に乗り換えるケースも増えている。
今年も1月以降、豆乳の売れ行きは好調、特に4〜6月は2ケタ成長を記録しており、「この調子でいけば年間25万tはいくのでは」と期待をふくらませる。
日本豆乳協会では2012年を「日本豆乳年」と位置付け、「豆乳で日本を元気に!」をキャッチフレーズに積極的に広報キャンペーンを展開している。豆乳市場は08年を底として、09年から11年まで順調に成長、今年も好調なスタートを切っている。この順調な市場成長を基盤にしてさらなる成長を目指すべく、2012年をその跳躍台にするため、消費市場への広報活動を活発に行なう。
キャンペーンでは「豆乳で朝食」をテーマに訴求する。料理家の脇雅世さんによる朝食応援レシピを小冊子にまとめた。全国のスーパーマーケットの豆乳売場や学校、施設の食堂、ファミリーレストランなどで配布する。日本豆乳協会関連のウォーキング大会や料理教室などのイベントでも配布する。
重山会長はキャンペーンについて、「豆乳をヘルシーで飲みやすい健康飲料としてアピールする一方、料理利用をおかず・鍋料理・デザートなどへのレシピ紹介で促進してきた。今年は生活・飲食シーンで展開すべく、第1弾として『豆乳で朝食』を謳い、人々の朝の元気と朝のライフスタイルを応援することにより、豆乳の一層の普及に役立てたい」と語っている。