【年頭所感】
持続可能な社会ニーズに対応した包装を
日本包装技術協会 藤重貞慶会長  

    藤重会長

 国連が未来への指針として17テーマから成る「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択し、その細目で食品のロス削減や廃棄物の排出量の大幅な削減等の問題を提起して以来、各国で各々の活動が始まっている。包装分野においても適正な内容量の設定、賞味期限の延長、品質保持期限の延長、さらに3R(リユース、リデュース、リサイクル)の強化等、包装の果たす役割への認識が世界的に深まりを見せている。特に、持続可能な社会のニーズに対応していくため、低炭素社会の実現やエネルギー・環境対策の再構築の他、食品に対する安全・安心への取組みやセーブフードといった最近の社会からの要請等に応えていける、より高度な技術の開発が、企業の責任として、また社会への大きな使命として早急に取組むべき大きな課題となっている。
 このような情勢の中で、当協会は、昨秋、第27回東京国際包装展(東京パック2018)を開催した。内外から延べ20万人を超える来場者があった。持続可能な循環型社会に貢献できる包装を実現していくことは、世界中の包装関係者の共通の課題であると同時に、近未来を見据えた次世代包装への新しい挑戦でもあることをあらためて認識した。本展が、これからの包装を考える上での大きな指針となったことと確信する。
 当協会では、今年もまた基本事業である包装適正化の推進や次代を担う包装人材の育成事業等のさらなる充実と、社会のニーズに応えるより高度で進化した包装への取組みの啓発等、公益事業の推進と強化に叡智と努力を傾注し、豊かな社会の構築と活力ある包装産業の実現を目指していく。