エコプロ明日開催、廃プラ、食品ロスの解決策提案

 環境とエネルギーの総合展示会「エコプロ2018」が東京ビッグサイトで12月6〜8日開催される。今回のテーマは「SDGs時代の環境と社会、そして未来へ」。528社・団体が環境問題の解決策を提案し、循環型社会の構築をめざす。

寺岡精工の小型ペットボトル減容回収機
「Bottle Squash」

 寺岡精工はペットボトル減容回収機「Bottle Squash(ボトルスカッシュ)」を展示し、ペットボトルの新しいリサイクルの仕組みを提案する。
 プレ裁断圧縮方式を採用した。ペットボトルに切れ込みを入れることで形状が復元するのを抑えるだけでなく、リサイクルの過程でフレーク(薄片)にする際の裁断機の刃への負担を軽減する。圧縮の際はプラスチック量の多い飲み口部を残すため、廃棄ボトルを飲料用として再使用する循環システム「ボトル to ボトル」につながる。
 本体は高さ1100mm×幅650mm×奥行き500mmとコンパクトボディを実現した。500mlの空ボトルを約150本まで収容できる。また、設置スペースが従来の約1/2で済むため、コンビニやドラッグストアなどの店頭、店内に無理なく置ける。これまでに都内23区を中心にセブン-イレブン300店舗で導入されている。
 使用方法はポイントカードを回収機のリーダー(読み取り面)にかざすと投入口がオープン。空ボトルを入れるだけで、1分あたり約10本の処理スピードで圧縮される。セブン-イレブンの場合、nanacoカードをかざしてボトルを投入すると数日後にポイントが加算される仕組み。利用者の動機づけになるため、リサイクル率の向上が期待できる。
 今回は従来機より容量を3割増やして200本(500ml換算)まで収納できる中型機を初披露する。スーパーや商業施設、郊外型ドラッグストアに向けてPRする。
 先ごろ全国清涼飲料連合会が「2030年度までにペットボトルの100%有効利用めざす」と宣言しており、「ボトル to ボトル」の流れは強まるとみられる。

AIで需要予測、食品ロス削減へ

 NECはAIを使った需要予測システム「需給最適化プラットフォーム」を提案し、バリューチェーン全体のフードロス削減に貢献する。
 NECのAI異種混合学習技術は膨大なデータを処理して予測式を導き出す学習アルゴリズムに加え、どういった要因が影響しているのかなど、需要予測の算出根拠を明らかにする「解釈性」を備えている。
 このAI技術に日本気象協会の気象情報や全国約4000店の小売店販売データ、全国約5万2000人の買い物データを組み合わせて需要予測の精度を高めた。過剰生産や期限切れ、売れ残りに伴う返品・廃棄を抑え、在庫・生産、発注の適正化を実現する。
 AIを使った需要予測は環境貢献だけでなく生産性向上やリードタイムの短縮、物流の効率化なども期待できるため、AIで適正な在庫管理を図る動きは今後広がることが予想される。

NECは製造、卸・物流、販売のバリューチェーン全体で需給バランスの最適化を図る