業務用のカット野菜やホール野菜を製造するデリカフーズは、各地で製造拠点の拡大に注力している。５℃以下のコールドチェーンに対応し、デポ機能も備えたセンターが仙台市宮城野区で稼働。先月には奈良県田原本町に、近畿エリアで最大規模となる工場が立ち上がったばかり。また、来年には東京都昭島市と愛知県弥富市にも竣工を予定している。
先月稼働したばかりの大阪デリカフーズ奈良工場は多様化するカット野菜需要に対応するため、カット処理場を大幅に増設、大阪本社のある茨木工場に比べ６割増とした。
工場は２階建て。敷地面積4552�屐�延床面積2513�屐�１階に出荷センターとカット工場を集約して作業の効率化を実現した。出荷物流施設1100�屐▲�ット処理場660�屬如�茨木工場に比べ大幅に増床している。
出荷センターや工場全体の温度帯を完全５℃とし、野菜の鮮度維持を従来以上に追及した。
中部以西の受注管理メインサーバーを奈良工場に設置し、グループ間のシステム・通信機能を維持。緊急の際の業務復旧が短時間でできる。
環境に配慮するため、インバータ制御による空調管理システムを導入、照明はＬＥＤを採用した。
「近畿エリアの青果物流通拠点を増設して生産能力を高め、今後さらに多様化する顧客ニーズに応える」（同社）。ホール野菜の出荷で年商８億円、カット野菜で年商12億円の生産を計画している。
2016年２月には食品安全マネジメントシステムＩＳＯ22000の取得を予定している。
安全衛生管理の徹底はグループの工場全体で取り組んでいる。
昨年は東京第２ＦＳセンターと神奈川事業所でＩＳＯ22000の認証を取得。2017年３月までにグループの全工場で同認証の取得をめざす。フードディフェンスの強化に向け、ＦＳＳＣ22000認証も加えていくことを計画している。
製造が拡大していく中で物流網も整備を進める。
ドライバーの減少が社会問題となる中、物流専門の子会社「エフエスロジステックス(株)」を昨年設立。今年７月の開業に向けて、免許取得などの準備を進めている。
現在、同グループの物流機能は外注に頼っているが、５年以内にこのうち30％を内製化したい考え。「チルド食材専用の物流会社として立ち上げる。将来的には、当社に限らず業界内の物流業務を請け負うことを視野に入れている」（同社）という。