少量・多品種・短納期を実現
�衙免凌�品 代表取締役 池田 恭之氏
北販食品は冷凍切身魚やいか加工品などを手掛けるオカフーズの関連会社で、切り身加工などを行なっている。オンラインによるバイオーダー生産システムを導入しており、あらゆる受注生産に対応。「少量・多品種・短納期」の実現に、池田恭之社長は自信をのぞかせている。
池田恭之代表取締役
――受注から24時間で納品までを可能にした。
池田 夕方の４時までにオーダーを受けたものは、翌日の午後２時までに納品、４時にはお客様の指定のセンターに届いています。
――工場は24時間稼働で対応しているのか。
池田 稼働は24時間ではありません。朝８時から夕方５時。もちろん、スタッフにはそれ以降の残業もさせません。残業はコスト的にも、スタッフの士気の維持の面でも建設的ではなく全く意味がありません。リードタイムの短縮を可能にする独自のシステムを開発しました。
――具体的には。
池田 オンライン注文を受けた時点で、どの原料が何キロ必要になり、アイテム別の加工に時間がどれくらいかかるのかを瞬時に数値化する画期的なシステムです。作業時間も３カ月ほどかけて測定した平均値を出しました。皮を切る時間、食料庫から食材を持ってくる時間など細かい数値を測りました。必要量、時間、作業内容。すべては作業する人が仕事をしやすいように意識し組み込んだものです。このシステムから帳票を作成。この帳票をもとにスタッフは魚種の選択、切り身加工、箱詰め、出荷というように最初から最後まで活用し作業します。
――少量・多品種の受注に対応している。
池田 納品先の事業者は社員給食や寮、病院給食など様々で600カ所もあります。扱う魚種はおよそ80種。加工方法も、例えば鮭ならば皮なしで骨なし、皮つきで骨なしなど細かいオーダーも入ってきます。切り身魚１つの注文にも対応しています。このようなお客様の少量・多品種の要望に対応する生産管理システムの開発が必要だったわけです。
――スタッフの数も増やせばいいわけではない。
池田 人員は限られています。そうした状況下で、適切な人員配置を瞬時に判断し配置しなければなりません。また、作業自体にも無駄があってはいけません。だからこそ、このシステムを最大限に活かしています。３年前に比べ、扱う量は倍になっていますが、うまく軌道に乗っているわけです。
――扱う量が倍になったとは躍進だ。
池田 高齢者施設向けの給食事業者からの受注が特に増えています。これらの施設からはカロリー量や栄養量の関係から、正確なグラム数での納品が特に求められます。その際、食材の「端材」が出るのは不可避です。その端材を有効活用して、フライ製品に加工したり、鮭の身を使ったハンバーグなどを新しく商品化できたらおもしろいですね。今後も果敢に挑戦していきます。
（いけだ・やすゆき）1983年入社。翌年の４月に株式会社になった。３人でのスタートだったという。2001年から現職。東京都出身。54歳。