冷凍冷蔵機器のフロン漏えいを早期発見、検知システムを提供

 設備管理大手のイオンディライトは商業施設などの冷凍冷蔵機器向けにフロン類の漏えいを抑制しながら省エネにも貢献する検知システム「フロンキーパー」をこのほど提供開始した。ノンフロン冷凍冷蔵ケースへの切り替えと併せて、フロンキーパーの提案を加速させる。

 フロンキーパーはフロン漏えいの早期発見を可能にするIoTシステム。これまでフロンの漏えいは冷凍冷蔵機器内の温度上昇によって発覚したが、その時点ですでに漏えい量が50%を超えているといわれる。

 フロンキーパーは液冷媒管に設置した超音波センサーがフロン漏えい時に発生する「フラッシュガス」を検知することで、漏えい量が約10%の段階で早期に発見することができる。漏えい量の抑制に加え、フロンの再充てん時のコスト削減も可能にする。

          フロン漏えいの早期発見を可能にするフロンキーパー

 フロンの漏えいは冷凍冷蔵機器の冷却効率の低下を招き、漏えい率の上昇に伴って消費電力量の増加率が最大180%まで上昇することが環境省の調査でも報告されている。

 フロンを使用した冷凍冷蔵設備には「フロン排出抑制法」に基づき3カ月ごとに1回以上の簡易点検が義務付けられているが、同社によればフロンキーパーはその代替手段となる「漏えいまたは故障等を常時監視するシステム」に該当するため、簡易点検が不要になるという。

 スーパーやコンビニ、商業施設ではノンフロン冷凍冷蔵機器の導入が大手を中心に広がりつつあるが、エネルギーコスト高騰などの影響によって、即座に切り替えが難しい店舗は少なくないとみられる。同社はそうした店舗にフロンキーパーを積極的に提案していく。