【年頭所感】
予測困難な時代、新たな価値創造を
日本包装技術協会 磯崎功典会長

    磯崎会長

 新型コロナウイルス感染拡大により、当協会においては規模の縮小や停滞を余儀なくされ、協会活動にも深刻な影響を与えていたが、各種Webアプリケーションを利用したオンライン配信やWeb会議などを導入し、新たな形式での事業展開を模索してきた。

 メイン事業である東京パック展、暮らしの包装商品展等の展示会事業や、包装管理士講座、全日本包装技術研究大会などの講習会事業については、多くの方々のご理解とご協力を得て、リアル開催に向けての取組みを行ってきた。

 一方、新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中の人々に制限された日常を送ることを余儀なくし、ニューノーマルといわれる時代を迎えることになったが、新型コロナウイルス感染が収束した後も、この状態が続く、または常態化していくことが予測されている。これまでの常識や予測が通用しないVUCA(Volatility<変動性>・Uncertainty<不確実性>・Complexity<複雑性>・Ambiguity<曖昧性>の略称)の時代の訪れともいえる。

 ただ、この先行き不透明な状況を、ネガティブな側面として捉えるのではなく、新たな価値やコトを生み出す機会として考えるべきともいえる。VUCAの時代における新たな価値の創造には、迅速で柔軟な対応などさまざまな力が必要とされるが、何よりも肝要なことは、失敗を恐れずに挑戦し続けることだと思っている。

 また、このような時代にあっても、持続可能な社会の実現は、変わらぬ到達すべき世界のビジョンである。包装業界は、この課題を直接的に解決する大きな力と可能性を有している。その実現には、この先に大きな困難や変革が待ち構えているかもしれないが、必ずや解決できることと信じ、一丸となって挑戦し続けていく。