モジュールプラスチックベルト(MPB)の草分けイントラロックスは、食品メーカーが持つ異物混入やバクテリアの繁殖、コスト削減等の悩みなどのソリューションを、各種搬送機器を使って解決する方法を提案する。
サーモドライブ(サイドウォールを付けたタイプ)
食品安全のソリューション解決として、「サーモドライブベルト」を具体例を示して提案する。
サーモドライブは熱可塑性のあるプラスチックを使った一体成型のベルト。表面に全く開孔がないフラットなベルトなので菌のえさとなる食品くずなどがきれいに洗い流せる。
一般に繊維でできたベルトは小さな隙間に菌やカビの胞子が入りこむ可能性があるが、サーモドライブは吸湿性がないためカビが発生しない。
スプロケット駆動なのでベルトを引っ張る必要がなく、テンションがかからない。ベルト表面にエンボス加工をほどこしているのでくっつきやすい製品を搬送する用途にも対応できる。
サーモドライブは4年前に発売を開始して以来、急速に工場に導入が進んだ。今年は選りすぐれた搬送品コントロールを実現するサイドウォールを付けたタイプも紹介する。
同社の代名詞ともいえるMPBは、衛生的で耐久性があり、歯車でベルトを駆動するためテンションがかからず、蛇行などの心配がない。そのためメンテナンスフリーであるなど、多くの特徴を持つ。
MPBを使ったスパイラル搬送のダイレクトドライブシステムも紹介する。同システムはスパイラルコンベアでありながら、搬送中に製品の整列が乱れないことが大きな特徴。
一般にスパイラルコンベアシステムは、ベルトを進行方向に引っ張るように駆動力をかける。駆動部分は複数あり、ベルトの張力の強弱によってオーバードライブがどうしても発生してしまう。
それを回避するためにインバーターなどでシンクロさせるが、わずかなギクシャクした動きは残り、軽い食品などは振動で整列が乱れてしまう。
ダイレクトドライブはベルトの内側がドラムと直接かみ合う構造になっており、このためオーバードライブが発生せず、搬送品の整列が乱れることがない。
スパイラルフリーザーで凍結後に包装機にかける場合など、人手や整列装置で並べ直していることがよくあるが、その必要がなくなり、製品の詰まりなどのトラブルを回避できる。
張力がかからないので故障のリスクが少なく、搬送の耐荷重増加が可能となる。駆動部分の構造上、グリースや油の蓄積による弊害も少なく、洗浄がしやすい。ケージバーとベルトの接触による内側エッジの磨耗もほとんどが解消される。ドラムを回転させるモータが一つあればいいので、メンテナンス部品の点数が少ない。
「アクティベィテッドローラーベルト」(ARB)は搬送ラインの仕分けなどに使う。個々のパッケージをそれぞれ任意の方向に素早く制御して流す技術。電子制御のないシンプルな仕組みでありながら確実性が高く、フルオープンなのでメンテナンスや作業性がいい。日本でも大手製菓会社が幅寄せ、印字コンベアとして導入している。
「i‐Drive」は工場内に柱などの障害物があってもコンベアを乗り継ぎポイントで途切れさせることなく、カーブや傾斜などで自在に搬送ラインを組む技術。張力をかけて駆動しないプラスチックベルトならではの優位性を生かしている。