シニア女性の食意識、「食事上の制限してない」

 キユーピーはシニア女性の「健康状態」、「食意識」について調査した。比較対象として50代も含めて調査し、前回(2012年)の調査結果と照らし合わせて、食生活の傾向とその変化を分析した。

  「健康状態の満足度」は特に70代で「非常に満足している」、「やや満足している」が増加した。
 「食事上の制限」については、「していない」という回答が増加。特に70代で増加幅が大きかった。
 「コレステロール」や「食塩(ナトリウム)」を制限している人が減少している一方で、「摂取カロリー」や「炭水化物」を制限する人が増えた。
 シニア層の健康への満足度が高まると同時に、食事で制限する内容にも変化が起きていることがわかった。

 「健康の悩み」をたずねたところ、「肩こりや腰痛がある」、「コレステロール値が高い」、「物忘れが多くなった」が上位にくる状況に変化はなかったが、「歯が悪い・食べ物が噛みにくい」の減少幅が大きく、シニア層の歯が以前よりも丈夫になっているとみられる。  
 70代では「コレステロール値が高い」が大きく減少していて、前回調査と大幅な違いが見られた。

 「食生活で重視していること」で多いのは「緑黄色野菜を食べること」、「魚を食べること」、「塩分をひかえること」などで、前回調査から大きな変化はなかったが、「卵料理を食べること」、「肉を食べること」は増加幅が大きかった。
 動物性たん白質の摂取に意欲的なシニア層が増加傾向にあることがわかる。

 同社では「健康満足度が高まり、食事制限をする人が減少しているという調査結果から、シニア層の食や健康に関する意識が一層高まり、健康の悩みの改善に結びついているとみられる。卵や肉を食べることを重視する人が増加した背景には、シニア層の低栄養リスクについて認知が進んでいることに加え、2015年に厚生労働省が『日本人の食事摂取基準』からコレステロールの摂取目標量(1日の摂取上限値)を削除したことが関連している可能性がある。
 これらの結果から、歯を健康に保ち、栄養価の高いものを摂ることで健康寿命を延ばそうとする、食に積極的なシニア層の姿を伺うことができる」としている。

 食生活総合調査は、食生活の実態や傾向をつかむため、同社が1989年から毎年実施している。「主婦」、「単身者」、「シニア」の3つの対象を、毎年順番に調査している。
 調査員が対象者宅を訪問し、目的や内容を説明。後日、回収するために再訪問する留置方式。調査期間は2015年11月24日〜12月9日。調査対象は1都3県、50〜79歳の未婚以外の女性。