ライン増設の余力残す
一正蒲鉾 新北海道工場(2)

    三国屋工場長

 一正蒲鉾の新北海道工場は各製品の冷却用として、トンネルフリーザーも新たに導入した。「旧工場は1階が加工、2階が包装ラインと分かれていたが、新工場は1階部分ですべてが行なえるため、きわめて効率的。生産管理面からも優れている」(三国屋輝彦工場長)。

トンネルフリーザー

 新工場では新潟の本社工場から移設した2基のフリーザーを含めて、計4基を設置し、生産効率を大幅に改善させた。
 「安全・安心の製品づくりには欠かせない」と野崎正博社長自らが関心を示しているように、最新式のX線異物検出器や重量選別機を追加導入し、万全の体制で臨んでいる。
 環境面では、環境性能評価CASBEEの「大変良い」とされるAランク工場として、省エネルギーで環境に配慮した先進的な取り組みを行なっている。
 CASBEEは建築物の環境性能で評価し格付けする手法。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材を使用して環境配慮はもちろん、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステム。

ちくわラインに導入した検査器

 旧工場を稼働しながら新工場を立ち上げた。それを支えたのが食品エンジニアリング会社の知見だと三国屋工場長は振り返る。同社と建築会社の橋渡しの役割を果たしてくれたという。 
 生産機械の設置を見越したダクトや配管の配置など、建築会社だけではなかなか判断できない技術を知識として持っている。「私たち食品メーカーが望む生産現場の配置図を理解してくれていた。エンジニアリング会社に安心して任せることができ、新工場が完成するまで私たちは本来の生産活動に集中することができた」と語る。

ちくわラインの焼き機

 また「新工場では、入荷から出荷までワンウェイ動線のライン組みができたので、交差汚染がなく、衛生的管理レベルが飛躍的に向上した」という。
 スタッフは当面は90名ほどで対応するが、秋季の繁忙期にかけて5〜10名ほどの増員を図る。今後の増産に応じて、ラインを増設できる余力を残している。