不二製油はこれまで冷凍には適さないといわれてきた「冷凍豆腐」を商品化し、業務用の様々な需要を掘り起こしている。
豆腐は日本の伝統的な料理素材であり、最近ではイソフラボンを含むダイエット食材としても人気がある。しかし豆腐は日持ちせず、広範囲に物流できないというネックがある。これを解決するのが冷凍豆腐。冷凍豆腐の誕生が大量調理する給食やロットの大きい食品メーカーの加工素材として「豆腐」の利用を始めて可能にした。これまで冷凍「麻婆なす」はあっても、冷凍「麻婆豆腐」はできなかったが、冷凍豆腐の誕生により、これも可能になった、というわけだ。
しかし、豆腐を冷凍すればスポンジ状になり、凍み豆腐(高野豆腐)にはなっても、解凍してなめらかな食感の豆腐は味わえない。豆腐を冷凍すると、水分だけでなく、たん白質も変性する。不二製油によれば、たん白質を凍結すると�”昂訃修砲茲詈�理的破損��凍結により濃縮された塩による変性�Ｅ犒覯當�での緩衝液成分の溶解度の差によるpH変化�で蚕未砲茲襭咤啗魎紅娠��チ多綏觜腓硫硬抔�果�Δ燭麈鯤�子表面の水和構造と氷との相互作用――が起きるという。豆腐をそのまま凍らせてもたん白質が変性し、なめらかな豆腐には戻らない、ということだ。
そこで、解凍してもなめらかな食感と風味の豆腐を再現するため不二製油は研究を重ね、豆乳と凝固剤を合わせる段階で、でん粉を加えると効果があることがわかった。
凍結方法にも技術的な成果が生かされた。最大氷結晶形成温度帯をできるだけ速く通過させるだけでなく「凍結方向のバランス」が大事であることを突き止めた。一定方向からの伝熱が速いと身割れ（突起）が起きる。そこでエアブラストフリーザーの庫内温度と吹き出しエアー速度も慎重に調整した。
凍結工程の搬送装置にも工夫が必要だった。
豆腐は柔らかいため、ネットコンベアを使うとネット模様が付いてしまう。スチールベルトではエアーが通過しないため伝熱ムラが起き、身割れの原因になる。
そこで、柔らかい状態ではスチールベルトで表面を凍結し、未凍結部分を残したままネットコンベアで本凍結するという２段凍結で解決した。
これまで難しかった豆腐の問題点を解決する画期的な調理用冷凍素材になった。
�／夕蠅鯆未気裟宿焚修靴討い襪里如∪犬瞭ι紊鉾罎戮動掬歸�に菌レベルが低く、安全な冷凍食品として使える。
��日持ちしない生の豆腐に対し、冷凍なので夏を含め通年安心して使える。
�Ｏ�続的に大量生産しているので、品質が安定している。
�の篥爐覆里派兵舛魄飮�しながら流通が広範囲に可能。
�ゾ淕４�限が一年なので必要な時、必要なだけ使える。
�ν修瓮�ットしてあるのでカットする手間がいらず、カットする際の汚染やカットロスが出ない。
学校給食、弁当、外食・事業所給食や、Ｃ＆Ｃ（キャッシュ＆キャリー店）を通じた中小料飲店などで、味噌汁、麻婆豆腐、鍋具材、あるいは煮物、炒め素材にと通常の豆腐と同様に使われている。品質が安定し、安定調達ができて、加工もしやすいので食品メーカーがレトルト素材やデザートに使う例もある。
買い置きできる便利な商品として生協を通じて一般家庭でも安定需要がある。
不二製油では冷凍豆腐の需要をさらに広げるため「冷凍絹厚揚げ」や「豆腐ステーキ」、さらに食物繊維を多く含む「ファイタス｣シリーズなども提案している。