ＦＯＯＭＡいよいよ来週、865社が集結（下）
アサヒ装設、付加価値を高める生産ラインを提案
「ＦＯＯＭＡ ＪＡＰＡＮ2022（国際食品工業展）」が東京ビッグサイトで６月７日開幕を迎える。東京開催は３年ぶり。出展社数は過去最多の865社に上る。アジア最大級の国際食品工業展として、コロナ前は４日間で10万人超を集めていたが、今年は来場者数をどこまで戻せるか。出展社の期待は高まっている。10日まで。前週号に続いて注目製品を紹介する。
「ＨＩ-ＣＯＯＫ」ブランドを展開する食品加工調理機メーカーのアサヒ装設（石川県白山市、山本康太社長）は2023年12月に創立70 周年を迎える。今回のＦＯＯＭＡでは「美味しさ作りの未来へ〜付加価値を生み出すＨＩ-ＣＯＯＫのトータルラインコーディネート〜」をテーマに、食品加工調理のパイオニアとして長年培った知識や技術、経験を活かしたフライヤー、オーブン、粉付け機等の主力製品を展示する。
「お客様の環境・ニーズに適したカスタム仕様の高品質製品を組み合わせ、トータルな生産ラインを提案する」（広報担当者）。
展示ブースには「過熱水蒸気オーブン」の新型をはじめ、直火加熱方式で熱効率を向上した「高効率ガス式フライヤー」や「粉付け機」など生産の一連の流れをイメージさせるラインナップを揃える。
さらに、おいしさづくりを未来に向けて進化させる「ＨＩ-ＣＯＯＫ未来展」のコーナーを設け、ユーザーの新商品開発や生産性向上に貢献する「新ＨＩ-ＣＯＯＫテクノロジー」を紹介し、高付加価値商品を可能にする生産ラインのコーディネートを提案する。
過熱水蒸気オーブン、省エネ調理を実現
「過熱水蒸気オーブン ＢＳＣＥ型」は100℃以上に加熱した水蒸気を利用して、食材に熱を素早く伝え、旨味の流出を防ぐほか、野菜は色鮮やかに、肉や魚はジューシーかつヘルシーに仕上げる。
庫内温度や風速、水蒸気量は独立してコントロールできるため、「蒸し」や「蒸し焼き」、「焼き」など料理の幅を広げることができる。卵料理やケーキなどのデリケートな商品もふっくら、しっとり焼き上げる。
ユニットを複数連結することが可能で、高温低湿（200〜250℃）、中温中湿（150〜200℃）、低温高湿（100〜150℃）などユニットごとに条件を設定できる。スチーマー（芯温上げ）→オーブン（焼成）→焼き目付け（仕上げ）といったオリジナルの調理工程も構築できる。
「過熱水蒸気オーブン ＢＳＣＥ型」
過熱水蒸気オーブンというと、一般的に大量の水蒸気を使用するイメージがあるが、同社は循環ファンなどを搭載した独自の「内部循環システム」を採用しており、蒸気量を必要最小限に抑えた省エネ調理を実現する。
高温短時間調理はコストダウンにもつながるため、導入先はコンビニベンダーや学校給食、ケータリングなど多岐に広がっている。
今回は独自の過熱水蒸気システムを搭載した新機種の「ＢＳ型」を参考展示する。
高効率ガス式フライヤー、作業環境を改善
「高効率ガス式フライヤー ＤＯＢＣ−Ｂ型」は業務用連続型のガス式フライヤーで、昨年秋にモデルチェンジした新機種である。
改良のポイントは�〔�配管をなくしたことで洗浄作業の負担を軽減したほか、��吊り下げ式のタッチパネルを採用して、パネルの引き寄せや左右の微調整を可能にしたこと。モニター操作をしやすくすることで投入部の作業性を向上させた。
また、�２硬戮裡嚇誓�御で投入部・出口部の温度ムラをなくすほか、燃焼炉構造の改良によって仕上がりにムラのない、より均一な調理を可能にした。
調理工場の揚げ工程では食用油の調理温度が通常150〜200℃に達し、燃焼排ガスの温度は300℃以上にもなる。過酷な作業環境の改善は以前から課題だった。
そこで排ガスを熱交換器で回収し、燃焼空気の予熱に有効利用したことで高い熱効率を実現した。
「高効率ガス式フライヤー ＤＯＢＣ−Ｂ型」
これまで排気煙道や燃焼排ガスから発生する輻射熱に悩まされていた作業環境は、排気熱が100℃以下に大きく低下したことで大幅に改善した。
さらに、従来の滞溜燃焼方式の性能を一段とアップさせたことで滞溜時間がより長くなり、加熱効率が高まって熱効率向上を実現した。
オプション装備の油煙除去装置「オイルミストキャッチャー ＯＭＣ型」は調理時の排気温度を100℃以下に抑え、油煙を効率良く捕集して室内の油汚れを低減する。調理室に油煙排気を出させない、よりクリーンな環境を保つことが可能となる。
コーティングラインも展示
展示ブースには「ＳｉＣヒータ焦げ目付け機 ＹＯＳ型」も出品するほか、「微粉・打ち粉付け機 ＰＤＭ−Ｆ型」→「ドラム式打ち粉付け機ＭＬＰ型」→「シャワー式バッター付け機 ＨＢＳＮ−Ｆ型」→「生パン粉付け機 ＢＲＧ−Ｆ型」のコーティングラインを展示する。
さらに「真空ミキサー ＷＭ型」を展示し、前処理から加熱調理までトータルな食品加工調理システムを提案する。
「真空ミキサー ＷＭ型（Wedge Mixer）」
国内外の市場獲得に注力
アサヒ装設はユーザーの商品生産に適した高品質なカスタマイズ製品やトータルラインシステム、充実したアフターサービスを提供しており、導入先はケータリング業界（学校給食等）やコンビニ業界（コンビニ弁当、惣菜等）、食品工業業界（冷凍・冷蔵食品、練り物、スナック等）に広がる。
海外は韓国・タイに現地法人を設立。タイを拠点に現地での製造・販売体制を構築し、ＡＳＥＡＮ諸国の地場企業のニーズを取り入れた「ＨＩ-ＣＯＯＫ」の製品ラインアップを拡充している。
ブース番号は１Ｍ−17。