阿部万寿雄の「食の安全」と「ものつくり」 −23−
「ものつくり」と「商い」

(1)「ものつくり」の仕組みと商業の仕組みは類似している。
     商業:販売計画―仕入―販売
 ご承知の通り、商業の基本な機能は、商品の仕入れと販売から成り立っている。商品を仕入れるには販売計画を立て、販売がおこなわれる。
     粗利益=販売価額―仕入れ価額
 昨今のデフレ環境にあっては単純な小売業の仕組みでは成り立たない。スーパーも単なる低価額だけではだめで、メーカー段階にまで入り、共同で商品開発を進め、PB商品として利益を確保している。

(2)「ものつくり」の仕組み

・販売計画は市場や販売情報に加えて、企業の得意分野、例えば伝統家業:キユーピー・カゴメなどから創られる。
・設計は企業の研究・商品開発によりメーカーの主力商品の育成強化と既存商品の改良を支えるものである。
・原材料の仕入れは食品メーカーとして食の安全・品質・コストを決定する重要な工程である。
・労働力は社員のスキル・熟練度により製品の品質が左右されるため、現場教育、訓練が大切である。

 ものつくりの仕組みは商業に比べ設計・加工など多彩な機能が要求される。
 さらに生産と販売の連携がメーカーとして、工場運営と収益の確保に最重要課題であることを忘れてはならない。