境港の養殖鮭工場、稼働開始
日本水産の連結子会社、弓ヶ浜水産（鳥取県境港市、鶴岡比呂志社長）は本社工場が完成し、１日から本社機能を移転、業務を開始した。投資金額は約20億円。
日水は宮城県女川町で1980年代から地域漁業事業者と連携してギンザケ養殖・加工事業を行っていたが、東日本大震災で被災し撤退。その後、鳥取県から招へいを受け、２年間の試験操業を経て、2013年12月に弓ヶ浜水産を同市に設立。ギンザケ養殖の事業化に着手した。この間、県内に海面養殖場(１カ所)、淡水養殖場(２カ所)を設置した。今回の水産加工工場の竣工により、ギンザケ養殖・加工事業の推進体制が整った。
本社工場では高度な衛生管理のもと、養殖ギンザケをはじめとする日本海産の水産物を生食用製品などに加工し、西日本をはじめ全国の量販店や外食店へ販売する。
主力品「境港サーモン」は2015年度1000ｔの出荷を見込んでおり、早期に年間2000ｔを実現する計画。設備の有効利用のため、2014年からマサバ、ブリなどの養殖にも取り組みを開始している。
弓ヶ浜水産は境港市に立地する日水の連結子会社共和水産とも連携して、養殖・天然の水産加工品を供給する。
弓ヶ浜水産の本社工場外観
養殖場３カ所、フィレ・ドレスなど供給
弓ヶ浜水産の新本社は鳥取県境港市竹ノ内団地205、鶴岡比呂志社長。2013年12月16日設立、資本金１億2500万円。従業員70名(４月１日時点見込み、パート含む)。
事業所は本社工場のほか、本宮淡水養殖場(鳥取県米子市本宮)、福原川淡水養殖場(同県倉吉市明高)、海面養殖場(美保湾)。保有船舶は漁船19ｔ型１艘、14ｔ型２艘、８ｔ型１艘、船外機船２艘。事業内容はギンザケ、その他魚類の養殖、水産物加工および販売。
本社工場は３月23日竣工、４月１日稼働を開始する。工場長は林昭彦常務取締役食品部長。延床面積4449�屐�主要生産品目は生食用フィレ、ラウンド、ドレス、冷凍ドレス、定塩フィレ、切身。