タイにチキンの大型２工場を完成、80億円強を投資
ニチレイフーズ、チキンの供給力最大級の４万3000ｔに
ニチレイフーズはタイに建設していたチキンの大型生産２拠点をこのほど相次いで完成した。まもなく本稼動に入る。10〜11月には日本向けに製品出荷を開始する予定。
２カ所の新・増設に80億円強の巨額の投資を行なった結果、タイのチキン製品の生産能力は既設分を含め４万3000ｔ超という、チキンとしては業界最大級のキャパを備えることになる。
チキン単品で超大型拠点をタイに確保したが、既に有力販売店が日本から現地を訪れて新増設工場の視察も始まっており、同社では「当初見込んだ以上の受注がある」とタイのチキン事業の展開に明るい見通しを示している。
特に新設したＧＦＮ工場には66億円の巨額を投じ、２ラインで２万ｔ強の能力を整備した。
ＧＦＮ新工場は敷地23万2000�屐別鵤桂�坪）、これは東京ドーム５個分に相当する。幹線道路に面し直線でほぼ１�劼箸い�広大な敷地は圧倒的な迫力がある。
この中に鶏原料処理場の「スローターハウス」（１万7600�屐¬�5300坪）と調理加工場（２万3000�屐¬�7000坪）の生産棟があり、２つの工場は外気に触れない｢スロータートンネル」（約30ｍ）で連結。これにより完全一貫生産（フルインテグレーション）システムとしているのが最大の特徴。
生産方式はフライ＋オーブンの２ライン。加熱条件を相互に細かく設定できるツインタワーオーブン（海外製）を導入。フリーザーは自動霜取り機能を備えた新型機（同）を採用した。２棟を合わせた生産棟の建物は直線で約530ｍ、幅85ｍ。この中に直線で約500ｍの見学者通路を設けた。
さらに、敷地内には従業員用の高層型宿舎を９棟建設しているほか、銀行、売店などのユーティリティ施設も完備する。
一方、ＳＵＮＩＦ（スラポンニチレイ食品）はカビンブリ工場に約15億円を投じてチキン生産２ラインを増設し7000ｔの供給力を追加した。
これにより、ニチレイＦは既設分と合わせ、タイのチキン製品の供給力が約４万3000ｔという、国内外を通じチキンでは業界で最大級の生産基盤を確保した。
新設したＧＦＮと増設したＳＵＮＩＦカビンブリ工場のラインは日本の農水省の監査を受け、10〜11月には日本に輸出開始を見込んでいる。
ＧＦＮの原料処理工場（スローターハウス）、圧倒的な広さが印象的
直線で約530ｍのＧＦＮ新工場生産棟、原料処理場と加工場をトンネルでつないだ