フードディフェンスに２億円投資
横浜冷凍は保管貨物のフードディフェンスを強化するため、全国の同社物流センターにＩＣカード入退館管理システムを導入した。吉川俊雄社長は本社でこのほど会見を開き、ＩＣカード入退館管理システム導入を報告。「施設内の全てのフロアに全方位カメラや定点カメラを設置した。これらの取り組みに２億円を投じた。高いセキュリティーレベルを保つことで、時代が求める食の安全・安心を提供していく」と説明した。
全国の同社物流センターにＩＣカード入退館システムを導入した
大幅な増収を果たした前９月期決算については「食品販売、冷蔵倉庫とも増収増益で、中でも食品販売の売上高は過去最高となった。とはいえ冷蔵倉庫は電気料金の値上げや３つの新センターの稼働に伴う減価償却、経費の増加などで利益面はほぼ横ばい。前中期経営計画の最終年度でもあり、売上高達成率が109％となったが、利益は計画を下回るなど、今後に課題も残した」と総括した。
前９月期は売上高が1416億円で前年比19.3％増、営業利益は41億500万円で10.1％増。経常利益は41億200万円で7.8％増、当期純利益は18億3500万円で20.5％減。非採算事業で鰻共同養殖ビジネスから撤退した台湾の連結子会社クローバートレーディングが６億円の減損損失を計上した。
前年度に竣工・稼働した新センターは�．錺鵐離な�流センター２号棟（タイ、既設含め約４万3000ｔ）�∪仄軋萋麒�流センター（北海道、既設含め約６万ｔ）�Ｌ棺�物流センター（大阪、約２万5770ｔ）の３拠点。
10月からスタートした第五次中期３カ年経営計画「Flap The Wings 2017」では売上高1500億円、営業利益57億円を掲げる。これに関して吉川社長は「冷蔵倉庫はクールネットワークのリーディングカンパニーをめざす。食品販売事業は安定的な利益追求を基本とし、強みのある商材を全社的に展開していく」と基本方針を示した。