日食工、IoT共通基盤の環境整備進める
「FOOMA大阪」に想定以上の申込み

    海内会長

 日本食品機械工業会は賀詞交歓会を東京芝公園の東京プリンスホテルで16日開催した。主催者挨拶に立った海内栄一会長(花木工業社長)は国内景気の減速による食品機械業界の影響について「機械統計の昨年9月までの集計では販売額で1.5%減、生産額で4.3%減と前年を下回っており、輸出額にいたっては約10%落ち込んでいる」と語り、東京五輪後も含め、厳しい経営環境は当面続くとの見通しを示した。

 安定成長を図るためには、ユーザー業界の動向を注視しながら、課題解決に向けて新たな提案領域を切りひらくことが重要になる。海内会長は「自動化・省人化の課題に対し、人とロボットの協働システムやAI、IoT技術の導入を提案してきたが、今年からすべての食品機械メーカーが活用できる共通のIoT基盤の環境整備を推進し、ユーザー業界の課題解決に貢献する」と力強く語った。

 食品機械の国際的な安全・衛生化の推進については、食品機械のISO規格制定に向けてドイツ規格協会(DIN)が新たに委員会(TC326)を昨年設置したことを紹介し「当工業会も議決権を持つ委員として積極的にこれに参加し、発言していく」と語った。

 また、日食工は食品機械の衛生設計に関する国際認証機関EHEDG(欧州衛生工学設計グループ)のガイドラインに従った洗浄性評価試験プラントを日本食品分析センターとともに一昨年立ち上げたが、「昨年はEHEDGの認証試験機関として承認を受けるために評価申請を行った。早期に認められるよう万全の準備を進めていく」と語った。

相原実行委員長「できることは何でもやる」

   相原実行委員長

 「FOOMA JAPAN 2020(国際食品工業展)」は東京五輪の開催に伴い、会場をインテックス大阪に移し、6月23日から4日間開催する。
 相原勝実行委員長(岩井機械工業会長)は乾杯発声の挨拶の中で「今回の出展社数は664社になり、昨年に比べて96社増えた。新規出展社数は91社にのぼるなど、想定以上の申込みがあった」と語った。初の大阪開催については「昨年の来場者数は10万人だった。今回は7万人を目標に、できることは何でもやる覚悟だ」と語り、「記憶に残る展示会として成功させたい」と意欲を示した。

 来賓挨拶は経済産業省製造産業局の玉井優子産業機械課長、中締めは櫻澤誠副会長(冨士製作所社長)が務めた。