ガスバリア素材紹介、食品ロス・環境負荷低減へ

 クラレは食品ロスや環境負荷を低減するガスバリア素材を紹介する。テーマは「おいしさ・賞味期限 エバールdeノビール」。

エバールフィルムを使用した惣菜容器

 エバール樹脂はプラスチックの中で最高レベルのガスバリア性を持つ機能性樹脂。食品包装材料をはじめ、化粧品、薬品の容器、自動車ガソリンタンクなどに幅広く使われている。食品の賞味期限の延長や、パッケージを軽量化できる。
 エバールフィルムはエバール樹脂を単層製膜したバリアフィルム。高いガスバリア性以外にも熱成形性、ヒートシール性、非吸着性、保香性などの特長を持つ。ラミネートによりバリア性を付与した食品トレーや惣菜容器、薬効成分や香りを守るバリアシーラント(バリア性内面材)への展開を進めている。

クラリスタCFを使用したレトルト袋

 クラリスタは有機・無機ハイブリッドコートによるレトルト食品包装対応の透明ハイバリアフィルム。防湿性も付与したクラリスタCFをラインナップに加えた。アルミ箔を使用した積層フィルムからの代替を推進するとともに、流動食や点滴輸液、薬などの医療分野やペットフードなど、食品包装以外へも展開している。
 PLANTIC(プランティック)フィルムは食用ではない特殊なコーンスターチを原料とするバイオマスプラスチックをバリア層に使ったフィルム。既存の設備で熱成形できるため、簡単にバリアトレイやカップが得られる。このフィルムの使用によって、化石資源の使用削減につながり、持続可能な社会の実現に貢献する。
 クラペットは溶融粘度(ドローダウン性)や融点、結晶化速度を改良した、ダイレクトブロー成形用のPET樹脂。透明性、耐薬品性、耐衝撃性に優れた容器を成形でき、ガラス瓶の代替として、化粧品容器や食品容器などに広く利用されている。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2014年10月1日号掲載