日本未発売のサーモドライブベルトを初出品

 プラスチックベルトのイントラロックスLLCはFOOMA(東6ホールb-17)に日本未発売のサーモドライブを出品する。

一体成型のサーモドライブ

 イントラロックス社はモジュールプラスチックベルト(MPB)で世界ナンバーワンのシェアをもつが、サーモドライブはモジュールタイプではなく、熱可塑性のあるプラスチックを使った一体成型のベルト。ベルト表面がフラットなので菌のえさとなる食品くずなどが洗浄できれいに洗い流せる。繊維でできたベルトは小さな隙間に菌やカビの胞子が入りこむ可能性があるが、サーモドライブは一体成型のプラスチックで吸湿性もないためカビが発生しない。
 スプロケット駆動なのでテンションがかからない点はMPBと同じ。ベルト表面にエンボス加工をほどこしてくっつきやすい製品を搬送する用途にも対応できる。7月1日に発売する予定。

MPBはメンテ体験コーナーで簡単に修理できることをアピール

 主力のMPBはバリエーション豊富な関連システムを出品し、搬送の課題を解決するソリューションを提案する。
 具体的には(1)「シームフリーベルト」(2)「スパイラロックスベルト」(3)「アクティベィテッドローラーベルト」を使ったコンベア実機を出品する。
 MPBはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)など数種類の耐久性があるプラスチックを原料としたモジュールで構成している。歯車で駆動するのでベルトに大きな張力がかからず、金属、ゴム、布のフラットベルトより寿命が長い。蛇行も起きず、テンションの調整も不要なためメンテナンスコストが減少し、衛生的で異物が発生しにくく、洗浄や修理が簡単であるなど利点が多い。
 欧米では一般的に使われており、日本でも食肉工場、製パンメーカー、水産会社など500社以上が導入している。
 寿命が長く丈夫で、万が一壊れてもベルト全体を交換する必要はない。モジュール構造なので一部のパーツを交換するだけで済む。ベルトを接着するためのヒートプレス機や接着剤は不要で、熟練者でなくても修理できる。
 樹脂ベルトのように繊維のほつれによる糸くずのような異物も発生しない。
 「シームフリーベルト」は洗浄性に優れたMPB。CIP(定置洗浄)システムと特許製品アングルEZクリーンスプロケットを併用すれば、使用する水量と洗浄時間を65%も節約できる。日本の大手食肉会社などが食肉搬送用に採用している。
 「スパイラロックス」はスパイラルフリーザーなどの冷凍・冷却用途をはじめプルーファー、エレベーターなどに適合している。金属ベルトと交換すれば、製品ロスやメンテナンスにかかる手間と費用が大幅に削減できる。
 これまでスパイラルにはステンレスのメッシュベルトが使われていたが、ステンレスはブラックスペックと呼ばれる金属の磨耗粉が製品に付着したり、突起がピンホールを空けてしまったり、製品によっては網の跡がくっきりとついてしまったりと、不良品を発生させることがあった。
 潤滑油が不要でメンテナンスの手間から開放されることが利点の一つ。メンテナンス時間の減少と不良品のロス削減により結果的にコスト削減につながる。
 「アクティベィテッドローラーベルト」は搬送ラインの仕分けなどに使う。パッケージを指定した方向に制御して流す技術。電子制御のないシンプルな仕組みでありながら確実性が高く、フルオープンなのでメンテナンスや作業性がいい。日本でも大手製菓会社が幅寄せ、印字コンベアとして導入している。

 展示会では、MPBの修理が簡単にできることを知ってもらうため、修理の体験コーナーも設置する。

スパイラロックス