清水港の利点を首都圏の荷主に訴求
清水港利用促進協会（静岡市、宮崎總一郎会長）は「首都圏『清水港セミナー』」を１日、東京の帝国ホテルで開催した。首都圏の荷主企業、国内外の海運企業等の関係者ら約900名が参加した。港湾議連等の会長を務める望月義夫衆議院議員、国交省の下司弘之港湾局長ら来賓も多数出席した。望月議員は「清水港はポテンシャル（潜在力）が高い」と来賓挨拶で期待を表明した。
川勝静岡県知事「清水港は大きく飛躍する」
川勝知事
清水港管理局の下司弘之局長が地の利や利用状況、助成制度、最近のトピックス等を説明した。清水港は冷凍まぐろ輸入、まぐろ缶詰輸出の実績が日本一。最近のトピックスとして、農産品の鮮度保持に優れた高規格リーファーコンテナを活用し、シンガポールまで静岡県産のみかん、いちご、トマト等の農産品を輸出する実証実験を２月に実施したところ「搬入から19日間、良好な状態を保ち、輸出可能なことを確認した」（安達局長）。
懇親会で同県の川勝平太知事が挨拶し「開港120周年を来年迎える清水港は、大きく飛躍する。荷主に安心安全なサービスを提供する」と約束した。静岡市の田辺信宏市長が乾杯発声を務めた。セミナーに先立ち、伊藤元重東大名誉教授・学習院大教授が「内外経済の展望」について講演した。
物流拠点として注目を集める「清水港」
大型コンテナ船が複数同時着岸できる清水港の
コンテナターミナル
清水港は新東名高速道、圏央道、中部横断自動車道など道路網の整備が進み、物流拠点としての利便性が高まった。清水港から内陸へのアクセスの良さに着目し、その周辺に拠点を新設する物流企業も出ている。
清和海運�蠅論轍�市清水区に最新鋭倉庫「新清水物流センター」を2015年に新設し、清水港での輸入通関から全国配送まで、一気通貫の物流サービスを広げ、水産物等の缶詰や乾物の検品・包装等流通加工の付加価値を高めた。同社は清水港の新興津コンテナターミナル近くに、アオキトランス�蝓⇔詬伸蝓↓蠹渓邁鸛翕垢箸裡桓匐ζ韻膿景�流拠点を2020年に開設する。
アジアなど世界各国から清水港へ外航定期コンテナ船航路を新規就航する事例も増えている。１月にはベトナム航路が新規に就航し、２月には韓国・中国航路が就航した。
清水港は機能性も高めている。同港の新興津ターミナルでは大型コンテナ船が２隻同時に着岸できる耐震強化岸壁を近年整備した。災害対応の面でも清水港は注目を集めている。同港は東京港・横浜港と名古屋港の中間に位置することから、有事などに京浜港等を補完する「セカンドポート」として注目されている。