手書き帳票のトレサビシステム

 生産管理システムを開発販売するローゼック(東京都台東区)は、QRコードを印字した紙帳票を画像化して、検索やトレーサビリティを実現する帳票管理システム「カミトレ」をFOOMAで紹介する。1工場のライセンス25万円、導入支援費24万円から。同社はFOOMA初出展。

カミトレの帳票トレース画面

 「カミトレ」は東京都中小企業振興公社から新製品・新技術開発助成事業の認定を受け、2012年に開発した食品製造業向けソフトウェア製品。
 QRコードを付与した帳票をスキャナで読み込み、自動的に分類保存する。これにより、従来は紙の現物を見なければ分からなかった手書きの情報がネットワーク上のどこからでも閲覧できるようになる。
 また、レシピ情報とロット番号の登録機能を備えており、帳票のトレースが可能になる。
 Excelで作られた帳票であれば、現在使用中の帳票を利用でき、現場業務の流れを変えずに短期間で導入できる。また、パソコンとプリンタ、スキャナがあれば利用できるので、多くの企業で新たにハードウェアを購入する必要がない。
 製パン、調味料、洋菓子メーカーなどがすでに導入している。HACCPやISOの取得により帳票類は増えているが、これを効率的に管理できるようになった。品質クレームや製造日報の管理のために利用している企業もある。
 先行導入した業務用パン製造・卸では、業務の効率化だけでなく、スタッフの意識変化など現場改善にも効果が表れ始めている。帳票に書き込む字がきれいになり、記入漏れやミスへの注意力が高まり、帳票の提出期限も守るようになったという。
 導入事例と操作マニュアルの付いた体験版CD-ROMの請求は同社ホームページや電話で受け付けている。

「カミトレ」の機能限定版リリース

 「カミトレ」は中小食品メーカー向けに開発したシステム。帳票を発行・回収した日付が印字され、捏造できない仕組みになっている点も特長の1つ。「カミトレ」で帳票管理に特化した機能限定版(ロット番号を入れた管理はできない)を26日リリースした。アンケートに回答した食品メーカーに限り、無償で提供している。同時に協業パートナーの募集も開始した。
 今回の機能限定版では、「膨大な紙情報の整理」に焦点を絞り込み、トレーサビリティ機能を省いた。Excelで作られた帳票であれば、現状のものがそのまま使えるので、現場の人々にも受け入れられやすい。パソコンとプリンタ、スキャナがあれば、インストールも含め1時間ほどで利用開始できる。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2014年6月4日号掲載