HACCP普及に向けた説明会を開催
厚生労働省は「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」の最終とりまとめ等に関する説明会を東京都港区の三田共用会議所で１月30日開催した。
食品業界の関心が高く、応募者が殺到したため、急きょ２部制とし、第１部は業界団体、第２部は一般企業を中心に開催した。
第１部の様子、ほぼ満席
同省では昨年３月から「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」を開催し、業界団体からヒアリングなどを行い、HACCPによる衛生管理の制度の枠組みについて議論を行ってきた。その議論やパブリックコメントの内容を踏まえた最終とりまとめを12月26日に公表している。
制度の対象はフードチェーンを構成する食品の製造・加工、調理、販売などを行う全ての食品等事業者であり、食品等事業者は一般衛生管理とHACCPによる衛生管理のための「衛生管理計画」を作成することになっている。
衛生管理計画は�．魁璽妊奪�スHACCPの７原則を要件とする基準Aと��一般衛生管理を基本として、事業者の実情を踏まえ、手引書などを参考に、必要に応じ重要管理点を設けて管理するなど、弾力的な取扱いを可能とする小規模事業者や一定の業種などが対象の基準Bとに分かれる。
また、それぞれの事業者が無理なくHACCPによる衛生管理に取り組めるよう、各業界団体が個別の食品・業態ごとに手引書などを作成することになっており、同省はこれを支援する。
これらを踏まえ、HACCP導入に向けた取り組みの進め方などの説明や意見交換を目的に会議を開催した。
説明会では、出席者からの意見として、「学校給食の衛生管理基準を所管している文部科学省などとも連携を取ってほしい」、「各業界で複数の団体がある。それぞれの団体で手引書をつくるのか。団体間で整合性がつかないのでは」、「業界HACCPを作成して運用してきた。作り直す必要があるのか」、「総合衛生管理製造過程承認制度の承認施設については、基準Aの要件を満たしているとの記載はあるが、ISO、FSSC、JFSは監視指導の効率化や事業者の負担軽減を図ることに十分配慮するとの表現に留まっている。もっとはっきりしてほしい」など具体的な要望が出た。
同省ではそれぞれの意見に対し回答を示したうえで、来年の通常国会で法案を提出する意向を示した。「業界団体によって現状に差があることは認識している。それぞれの事情に合わせて必要な支援を行っていきたい」としている。