味の素冷凍食品は震災後変化するユーザーの購買行動をじっくり研究分析し、また調理現場のオペレーション研究にも昨年から取り組み、商品開発と販売提案に生かしている。
これまでの研究成果を生かし、３点を重点課題に取り組んでいるが、「特にスチコンの調理提案に手応えを感じている」（鈴木雅史執行役員マーケティング副本部長兼業務用事業部長）という。
�ヽ或�では“和”の提案を重点化。その結果、和菓子等の提案に好反応がある。特に和のデザートは需要が伸びており、デザート全体の２ケタ増に寄与している。
�∩攤擇蓮肇好船灰鹹翰�”の提案を昨年から地道に続けている。餃子と鶏から揚げを切り口に始めた。「説明型の提案なので時間はかかったが、既に手応えがある」（同）。組織上、業務用事業部の広域営業部に量販店グループを新設した成果も徐々に表れてきた。
�５訖�は“自然解凍品”の提案を続けている。2012年春は『４種の野菜寄せ揚げ』を提案したが、業務用市場でこれは大きな支持を得ている。引き続き自然解凍を給食向けに提案する考え。また惣菜向けに提案を続けているスチコン調理が「給食でも人手不足解消に役立つと評価が広がっている」（同）という。
業務用冷凍食品市場全体では惣菜が引き続き好調。給食は工場、施設等で震災の影響を受けたが、既に下げ止まっている。外食市場も一時の厳しさを脱して需要を取り戻している。
ハンバーガーや牛丼等のファストフード系が依然厳しい。中には前年割れもある。総じて業務用市場は１％増程度という。
こうした市場環境の中で、味の素冷凍食品の業務用冷凍食品は４〜６月２％増で市場平均を少し上回っている。「コンビニ需要がけん引しており、特にレジ回り商品が好調。大震災で休売を余儀なくされた、主に給食向け商品が復活しているのも売りを底支えしている」（鈴木執行役員事業部長）。