コラム『ひろい書き』
「工場のロボット、書類のクリップにも」

 キユーピーグループの鳥栖キユーピー(佐賀県)。工場にロボットを大幅導入し、従業員の熱い、重い、繰り返し、きつい、難しいという作業負担を軽減している。よく見ると、ロボットの頭にキユーピー人形。アームが動くたびにキユーピーさんも揺れ、従業員の安心作業を見守る。通路には何台もの資材移送ロボットが往来するが、それぞれ「〇〇号」の名前が付いており、バッテリーや金属などの無機質性を薄めてくれる。事務所に戻って説明資料を見ると、クリップがキユーピーのデザイン。これも手作り。
 グループの工場の中には、パートさんがキユーピー人形に浴衣やドレスなどを着せて玄関に飾っているところが珍しくない。東京調布の本社ビル「仙川キユーポート」では、入り口の時計台がキユーピー人形。メモ用紙もキユーピーの形。パートさんにも愛される会社、これがキユーピーの社風。