セブン店舗で再エネ100%、NTTが電力供給

 セブン&アイホールディングスNTTと協業し、セブン-イレブン40店舗と複合商業施設のアリオ亀有(東京都葛飾区)に再生可能エネルギーを使った電力を4月から順次供給すると発表した。店舗運営に使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えてCO2排出量ゼロを実現する。

 NTTの完全子会社で再エネ発電事業を手がけるNTTアノードエナジー(東京都千代田区)が「オフサイトPPA」の仕組みを活用して千葉県内に太陽光発電所を2カ所設置し、送配電網を介して電力を供給する。

 PPA(Power Purchase Agreement)は企業や自治体などの電力需要家が発電事業者から再エネの電力を長期に購入する契約。オンサイトが建物のビル屋上や遊休地など企業の敷地内に発電設備を設置して直接供給するのに対し、オフサイトは遠隔地から送電する。日本国内はオンサイトPPAの事例が多いが、今回はNTTがセブン&アイ専用の発電設備を設置し、遠隔地から送電する「オフサイトPPA」に国内で初めて取り組む。

 また、オフサイトPPAの太陽光発電だけでは店舗で使用する電力量に足りないため、不足分についてはNTTグループが所有するグリーン電力発電所を活用する。再エネ由来で環境価値があるとみなされ、さらに発電設備や所在地などの属性情報がひもづいた「トラッキング付非化石証書」を活用することで消費電力を100%再生可能エネルギーでまかなったことになる。

 セブン&アイは環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を策定し、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。これまでに「アリオ市原」(千葉県市川市)に大規模な太陽光発電設備を設置したり、配送車両にEVトラックやFC(燃料電池)小型トラックを試験導入するなどし、店舗でのCO2排出量削減に積極的に取り組んでいる。

屋上部分に太陽光パネルを敷設した「アリオ市原」、全体の電力使用量の約25%を太陽光パ
ネルによる発電でまかなうことでCO2排出量を約25%削減した