北洋銀行新ファンド、野菜洗浄機のエフ・イーに出資

 北洋銀行は「北洋イノベーションファンド」の初の投資先として、野菜洗浄機や皮むき機を製造販売するエフ・イー(旭川市)を選んだ。同ファンドは議決権のない種類株式で投資するのが特徴で、7月中にも1000万円出資し、エフ・イー株の1割程度を取得する。
 エフ・イーはだいこんの葉をつけたまま洗う機械など農業・食品加工関連の独自技術で事業を拡大している。今年2月、経済産業省などが主催する「第4回ものづくり日本大賞」で「根菜類自動皮むき機装置の開発」が優秀賞を受賞した。
 同装置は規格外の小さなジャガイモに付加価値を付けて活用しようという観点から開発。農家の意見を聞き、そのまま加工用に回せるように、手むきと同等にきれいに処理できる機械を目指した。刃を使わず丸い穴が無数にある回転ドラムの上で根菜を転がす仕組み。4年半をかけて開発した。
 海外展開も検討しており、最大市場である中国をにらみつつ、まずは台湾での販路を模索している。
 
 北洋銀行は成長が見込まれる新事業に取り組む中小企業を支援するため、総額5億円のファンド基金「北洋イノベーションファンド」を今年4月創設した。高い技術力を持つ企業の資本力を増強し、産業の振興を図る。2012年度から5年間を運用期間としている。
 新事業展開などを目指す道内中小企業に対し、1社当たり3000万円を上限に事業資金を供与する。業種は問わないが、環境・エネルギーやIT関連、バイオ、ものづくり関連、食品加工など道内経済の成長をけん引する産業の振興を後押しする。