都城第二は省人化と冷却に特徴あり
横浜冷凍 代表取締役社長 吉川 俊雄氏（２）
横浜冷凍が新設した都城第二物流センター（宮崎）は甘藷をバラす工程など荷役作業をできる限り機械化し、省人化を図った。吉川社長は「（地場の）荷主からは保管プラス付帯業務で評価いただいている」と説明する。また、冷却には新たな方式を導入し、省エネに繋げている。
吉川社長
――都城第二物流センターは都城物流センターの果たす役割・機能の延長線上にある？
吉川 そうです。しかも機能を高め、荷役作業もできる限り機械化しました。芋焼酎の原料となる甘藷は、凍結後、約700�圈腺隠瑤鬘叡碓未縫侫譽�シブルコンテナバッグ（フレコン）に入れて冷凍保管します。すると甘藷同士で固まってしまうため、バラす必要がでてきます。その作業も請け負っているのですが、使う前に手作業では大変です。そこで、この工程を都城第二物流センターでは機械化しました。設備費用がかかりますが、荷主からは保管プラス付帯業務で評価いただいており、必要不可欠の投資です。
――都城第二物流センターのポイントのひとつが省人化にあるわけだ。
吉川 そうです。また冷却方式は、前川製作所のリターンダクト方式を導入しました。一般的にクーラー方式は、ダクトから冷気を吹き出し、温度が一定以下に下がると自動停止し、やがてデフロスターが作動する仕組みです。ただしデフロスターが作動すると温度が上昇する点が短所。そこで当社ではヘアピンコイル方式を各拠点で採用してきました。しかし今回、前川製作所はクーラーとヘアピンコイルの中間と言いますか、ダクト１本から冷気を吹き出す一方、その両側のダクト２本から湿気暖気を吸い込む機能を持っています。暖まった空気は天井の方に上がり、それを両側のダクトが吸い込む、いわば自然対流が生じたような状態になるのです。しかも省エネ。同方式をさらに検証し、より良い効果が実証された場合は、ヘアピンコイル方式から徐々にリターンダクト方式に切り替えてもいいと考えています。定期的に行うデフロストの作業負担が大きいので、それが解消されるなら高く評価できます。
――冷却方式の新たなスタンダードが生まれる可能性がある？
吉川 そうなります。また、前川製作所のハイブリット型デシカント陽圧装置を、大阪の夢洲物流センターに続けて導入しており、これに排熱を利用しています。荷捌き場を５度Ｃに保つための装置から熱が生じるのですが、その熱を除湿に利用する仕組みです。
――都城第二も太陽光発電システムを導入した。
吉川 はい。その結果、計９拠点に太陽光発電システムを据え付けたことになります。総発電量は２メガを超えます。都城物流センターにも太陽光発電システムを導入していますが、その発電量は50kw。これに対し、都城第二は460kwと規模が大きく、冷蔵庫棟の屋上を全て覆ったようにソーラーパネルを取り付けています。拠点で内部的に利用するソーラー電力は10kwに過ぎず、残りの450kwは売電にあてます。この売電量は大阪の夢洲物流センターに次ぐ規模となります。
（よしかわ・としお）1968年（昭和43年）入社。常務冷蔵本部長を経て2003年11月から現職。国学院大経済学部卒。1944年11月生まれ、69歳。東京都出身。