需要予測システム最新版、気象×ＡＩで精度向上
キヤノンＩＴソリューションズ（東京都港区、金澤明社長）は欠品削減と在庫削減の実現を支援する需要予測・需給計画システム「FOREMAST（フォーマスト）」の最新版「Ver.3.3」を１日発売した。今回は気象などのコーザルデータとＡＩ技術を使って需要予測精度を向上させる機能や、在庫補充計算機能のバリエーションを追加した。
需要予測システムの導入が食品や外食、物流業界などでも広がりをみせているが、近年は予測精度を上げるため、天候や気温、物価指数、販促キャンペーン、競合状況、周辺イベントなどの「コーザルデータ」の活用に注目が集まっている。
また、コロナ禍による物流の混乱が新たなリスク要因となる中、無駄な在庫移動を防止するため、各拠点に在庫を適正に配置、補充することもサプライチェーンマネジメントでは重要な業務になっている。
こうした市場ニーズに対応するため、「FOREMAST」の最新バージョンでは�．魁璽競詬渋�機能、�▲魁璽競訃霾鷦�集機能、��在庫の供給調整機能を追加搭載した。
「FOREMAST Ver.3.3」の概要図、「FOREMAST」は在庫補充計画ＳＩコア、需要予測
ＳＩコアなど５つのＳＩコア（ソフト）で構成しており、課題に応じ組み合わせて導入する
ことができる
ＡＩがコーザルデータによる影響を学習
コーザル予測機能はコーザルデータが予測に与える影響度合い（補正率）をＡＩモデルで学習し、実績値や予測結果を補正する。
コーザル情報収集機能はコーザルデータを外部の情報配信サービスから受信し、「FOREMAST」で活用できるデータに変換・蓄積する。気象情報の提供を受ける場合は配信元と契約する必要がある。
在庫の供給調整機能は拠点間の在庫レベル（在庫充足率など）がアンバランスにならないように、補充元・補充先の在庫レベルを考慮して補充量を増やしたり、減らしたりと自動調整を可能にする。
「FOREMAST」は科学的な需要予測に基づく在庫補充計画、需給計画・実績情報の共有支援に加え、問題の見える化によって「欠品なき在庫削減」をシステム面でサポートする。導入企業は味の素や日本食研、サントリーグループなど飲食料大手に広がる。