川崎東扇島に物流センター新設
東京西部に第2センターの構想も

 外食卸の松尾は「首都圏第一物流センター」を川崎市東扇島に15日開設した。冷凍、チルド、常温の3温度帯商品の保管・供給を担う。神奈川と千葉の営業グループを統合、新たに営業第3グループと改組し、基幹物流センターとして機能させる。施工はトプレック

センターの外観

 平屋建てで、倉庫面積はフローズン107坪、チルド20坪、ドライ360坪。以前まではロール紙メーカーが使用していた倉庫で、建物は既存のものだが、冷凍倉庫と事務所は新設した。同社が扱う商品は、通常のピッキングセンターと違い、パレットや段ボール単位ではなくピース単位の細かいピッキングが多いため、高頻度・小ロット商品を迅速に出荷できるよう冷凍倉庫に扉を3カ所設けて、作業効率を高めている。
 扉の数が多く、出入りの頻度が多いため外部との換気機会が増えるが、冷凍機の能力を通常の1.2倍に設定することで対処している。
 ドッグシェルターは8基設置。設計上、本来7基しか設置できないところを、トラックの回転数を高めるために区画を変更して1基分増やした。

    荒木センター長

 また、庫内照度は通常チルドで300ルクス、フローズンで200ルクスといわれているが、450ルクスに設定。実際は消耗を見越して500ルクスに設定しており、誤配の低減を図っている。
 作業員の入室は事務所を通る1カ所のみで、足洗い、手洗い、消毒を徹底させて食品工場に準じた衛生管理に努めている。
 荒木紳一郎センター長は「庫内が移動しやすく使いやすい。以前のセンターに比べ、1つ1つの作業が短時間で済んでおり、細かな要請にも対応できる。何より従業員の安全・安心に対する意識が飛躍的に高まった」と手ごたえを感じている。

      松尾社長

 松尾信子社長は「センターを基軸にして商品管理と営業をプラスさせて総合的なシステムを構築したい。来年早々には保税倉庫の機能を持たせて貿易部門との相乗効果を発揮させる」と語っている。さらに、「今回はあくまで第1センターであり、組織改革はまだ継続させる。1、2年のうちに東京西部にも同規模のセンターを立ち上げて物流機能を充実させ、ユーザーの細かなニーズに応えていきたい。東京目黒の本社は地域住民に貢献できる施設として位置づける」と今後の構想を明らかにした。

明るく、広々とした冷凍スペース

庫内が移動しやすく使いやすくなった。従業員の安全・安心に対する意識も飛躍的に高まった。