クリーンルームで色々な形状にカット
セントラルフーズ 狭山工場��
狭山工場の製造２課は57名が在籍。スライスから包装工程、出荷までを担っている。前日に加熱した製品は冷却室で一晩冷やして包装室１へ。一部はカットなど２次加工のクリーンルームに向かう。
奥に写る機械がロータリー包装機
包装室１では原木からケーシングを取り、適度な大きさに切り、真空パックして表面を殺菌する。ここで使用する機器はロータリー包装機。シュリンクに入れたのち、金属検出機を経て、シュリンク槽へ運ばれる。収縮専用のフィルムを使って食肉を真空パックして温水槽で熱収縮し、冷水槽でしっかり冷却する。
同社のシュリンク槽は５槽構造。各槽を45秒ずつ経過し、ゴンドラが製品を次の槽へ送り出す。第１槽は製品の待機場所で、ここでぬるま湯に浸る。第２、３槽は95℃の湯で表面殺菌を行う。第４、５槽で３〜４℃のチラー水に浸して品温を下げる。
この工程では一度人の手が入ってしまうので表面殺菌は必要だが、温度が高いままだと、後工程の品質に影響するので冷却にこだわっている。こうした形で１次包装された製品は、直販店舗向けに原木で配送するものや、２次加工を経るものなど様々で、ロットで仕上げた製品をいったん包装し、ストックしておく。
クリーンルームからは製品のみが出てくる
スライスやカットなどの２次加工はクリーンルームで行う。クリーンルーム入り口は准清浄作業区域である包装室２にある。清浄作業区域であるクリーンルームに入室するには一度、ローラー掛け、手洗い、エアシャワーの入室手順を踏んで包装室２に入り、さらにクリーンルーム入口で専用の作業着に着替え、同様の手順を行わなければ入室できない。
クリーンルーム内は９ラインあり、カット工程に特にこだわった製造をしている。
スライサーは９種。大型高速スライサー２種、小型スライサー２種、ワンオールスライサー３種、斜め切りスライサー１種、ダイサー１種を備えている。「展示会などで少しでも生産性や歩留まりの良い機械をチェックし、良いものがあれば予算を取って、入れ替えている」（山下工場長）。
2015年は斜め切りスライサーを更新した。その名のとおり、ウィンナーなどを斜めにカットする機械で、パスタやピザなど冷凍食品のトッピング材に用いられている。顧客の要望に合わせた角度や厚みでスライス出来る機械で、メーカーと共同で完成させた。
その他、顧客の要望に合わせ、拍子切り、サイコロ切りなど色々なカットに対応し、付加価値の高い製品を供給している。
骨に特化したX線検出器
クリーンルームで加工、包装した製品は包装室２で検品や一括表示の貼付などを行う。このエリアではLED蛍光灯に変えて、製品の状態が良く見えるように配慮している。
金属探知機、ウェイトチェッカーなどの検査機器はもちろんのこと、X線検出機は骨の検出に特化した機種を導入している。
現在は返上してしまったが、かつてHACCPを取得しており、その手法は各工程に残している。異物の検出、ラベル・賞味期限のチェックなど、記録を残して安心安全を担保している。（次号へつづく）