新生産管理システムを食品業界に提案強化
マルハニチロは直営全工場に導入
キヤノンITSの莖田執行役員
キヤノンＩＴソリューションズとマルハニチロは製造現場の各種データを一元管理したデータ統合管理型の「新生産管理システム」を昨年構築し、マルハニチロの直営７工場に導入した。キヤノンＩＴＳが導入先の課題解決に合わせ、最適な国産の業務システムパッケージを組み合わせて提供する基幹業務トータルソリューション「AvantStage（アバントステージ）」を活用した。キヤノンＩＴＳが９月18日の説明会で発表した。
食品業界は生産性向上を図るために生産管理やＳＣＭ（サプライチェーンマネジメント）のＩＴ化が急務になっている。マルハニチロの直営７工場ではこれまで業務プロセスが統一されず、生産管理業務は紙やホワイトボード、エクセルなどを使った手作業に頼っていた。そのため、製造指図や原料購買、在庫管理など複数業務で過去にトラブルが発生したことがあったという。
新生産管理システムは�＼源嵯弉茲簓兵全浜�、原価管理などの生産管理ソフト「mcframe」と、�∋愎涅鄒�の補助機能として生産スケジューラーソフト「Asprova」、��ミスを未然に防止し品質管理を強化するソフト「QITEC」、�だ瀏�保全・管理ソフト「AMISYS」を組み合わせて構築した。
その結果、属人化作業が多かった工場内業務の標準化や生産現場のデジタル化、ミス防止の仕組み確立、業務の見える化を実現。予算編成や損益管理の一元的な確認が容易になったり、作業手順や検査基準の電子化で伝達の正確性が図ることができた。作業ミスを不安に思う作業者の精神的負担の軽減にもつながった。
マルハニチロはこの生産管理システムを直営工場にとどまらず、今後はグループ全体に広げ、グループ統合基盤として活用する。
2021年度までに売上高50億円
キヤノンＩＴＳは今回のシステム構築、導入ノウハウを生かし、パートナー企業の東洋ビジネスエンジニアリングと共に食品業界向けに基幹業務システムの提案を強化する。
莖田芳彦執行役員（ＳＩサービス事業部製造・公共・流通営業本部長 ）は「（業務システムパッケージを組み合わせて提供する事業は）2015年から展開し、食品業界での導入実績もあったが、今回の大型案件の導入事例を横展開できると判断した」と語り、売上げ規模300億円以上の食品会社をターゲットにする方針を示した。2021年までに単年度で50億円の売上げをめざす。
東洋ビジネスエンジニアリングは「AvantStage」の中核に位置付けられる「mcframe」を開発したシステム開発・コンサルティング企業。今年３月にキヤノンＩＴＳの資本参加を受け入れている。
マルハニチロの導入システムの概要