動物性プランクトン「南極クリル」(ナンキョクオキアミ)から抽出するクリルオイルの供給最大手、アーケル・バイオマリン(本社ノルウェー)は日本法人をこのほど設立した。販売体制やマーケティングを強化し、日本市場で事業拡大を図る。
クリルオイルはリン脂質型オメガ3脂肪酸を含む高品質な栄養素として世界中で注目を集めており、2020年の世界市場は前年比41.5%増と大きく伸びている。特に健康意識と美意識が高い東アジアでの成長が著しいという。コロナ禍で健康管理に対するニーズがさらに高まっており、日本市場も成長が期待できる。
アーケル・バイオマリンは日本市場に2011年からクリルオイルを供給しているが、日本法人の設立で市場獲得に本腰を入れる。
クリルオイルの商品
業界最高ランクとされるクリルオイル原料の新商品「SUPERBAブースト」をテレビ通販番組の「ショップチャンネル」を通じ2021年9月に販売を開始した。2022年は機能性表示食品を複数獲得する計画で、消費者の認知度向上を図るとともに、取引業者に対するサポート体制を確立するとしている。
日本法人のアネッテ・山本ハンセン社長は「欧米市場での用途はサプリメントの原料に限られているが、日本の消費者には『いくらのようなおいしい味がする』との評価をいただいており、特有の風味を生かした加工食品の原料としての可能性も期待できる」とコメントしている。
アーケル・バイオマリンは自社の漁船で「南極クリル」を漁獲している