アンモニア冷媒用の半密閉式2段圧縮スクリュ冷凍機
展示会を機に最小機種の24Kw冷凍機を発売

 コベルコ・コンプレッサはFOOMAで半密閉2段圧縮冷凍機を使ったアンモニアインバータ冷凍機「iZN」を高橋工業のブースに出品する。今月発売したばかりのシリーズ最小機種(出力24kw)「iZN40W」の実機を展示する。
 アンモニア対応で半密閉式の2段圧縮スクリュ冷凍機は世界的にも珍しい。永久磁石のIPMモーターを使ったアンモニア対応の冷凍ユニットはあるが、コベルコはモーターに通常の電磁モーターを使って汎用性を高めた。これにより既存のアンモニア直膨式にも対応し、現地でオーバーホールすることもできる。一般に銅コイルを多用しているモーターはアンモニアで腐食し易いため、新型機はアルミコイルモータを採用することでアンモニア冷凍機の半密閉化を実現した。

 一般の冷凍機はスクリュ部分とモーター部分の間にメカニカルシールがあり、漏洩を防いでいるが、新型機はメカニカルシールレス構造。もちろん漏洩の心配は無く、メンテナンス性も高めている。軸受構造を見直して高速回転時の騒音低減も実現した。
 同社では「インバータ付きスクリュ冷凍機のパイオニアである当社が満を持して発売した。これでアンモニアでもフロンでも全てインバータで対応できる」とアピールしている。
 小型の冷凍機をインバータ化するには半密閉にするしかない。同社は今年4月にも37kwの「iZN70w」と45kwの「同80w」(いずれもコンデンシングユニットの名称、それぞれ圧縮ユニットがある)を発売しており、今回の24kwタイプで半密閉式に3機種が揃った。
 インバータで冷凍能力を無段階に制御することで省エネにつながる。必要負荷が半分の時なら、回転を落として35%の省エネを実現する。
 また、従来の冷凍機は蒸発温度が下がるに従い冷凍能力も下がってしまったが、iZNシリーズは蒸発温度が下がるとモーターやコンデンサに余力が生じることに着目し、その分インバータで増速して持てる能力を最大限引き出す機能もある。60ヘルツ地区より20%の能力ダウンが強いられる50ヘルツ地区でもインバータ制御なら同じ能力を発揮できるのも利点と言える。
 この新型機の開発により、東洋製作所はiZNを使った冷凍ユニットを出品する。

アンモニア対応のコンデンシングユニット「iZN」

心臓部となるアンモニア対応の半密閉圧縮機を新開発した