枝豆で躍進、十勝の中札内村農協 
 19億円投じ、工場を増改築へ

工場前に立つ中札内村農協
山本勝博組合長

 農産物の宝庫、十勝の中でも中札内村の躍進振りが注目されている。中札内村農協(山本勝博組合長)は枝豆を主力にインゲン豆、カボチャなど約2000tを生産している。安全安心の面で国産志向、とくに信頼度の高い北海道産へのニーズが高まっていることから生産能力を2倍に増強し、需要家の期待に応えていく方針。

 中札内村農協は平成17年に10億3000万円を投じて工場を増改築したのに続き、来年にはさらに19億円を投資して大幅な増改築を行うなど積極的な生産増強を図る。これらにより来年は枝豆3500t、インゲン豆1500t、カボチャ20tの生産を計画する。主な設備投資としては選別ラインを2ラインから4ラインへと倍増、冷凍倉庫も既存の200t、500tの2室に加え、1000tを新設する。
 枝豆、インゲン豆の収穫で活躍するフランス製の最新鋭ハーベスタ(収穫トラクター)はすでに2台保有しているが、来年にはさらに1台を加え、収穫から選別・ブランチングまでのリードタイムの一層の短縮化を図る。

 枝豆の収穫期を迎えているが、作況について山本組合長は「どちらかというと豊作、とくに枝豆の実入りがいい。お客さんには必ず満足していただけるのではないか」と語っている。一粒鞘(さや)がほとんどなく、2粒、3粒鞘がほとんど、しかも3粒鞘が半分以上を占めている。山本組合長は「これほど実入りがいいことは珍しい」と喜びつつ、「これも生産者研修会を年に6回も開くなど研究を重ねた成果ではないか」と自負する。
 同農協は山本氏が組合長になった6年前から消費者起点の商品作りや効率的な生産に努め、一方で品質向上や安全安心の確保に全精力を投じてきた。その結果、3年前に農協を黒字に転換、以来黒字経営を継続している。
 なお、山本氏は十勝農業協同組合連合会の会長を兼務する、同地区のリーダー。