食品スーパーで惣菜の外部仕入れ増加傾向に

 (社)日本惣菜協会はこのほど発刊した「2010年版惣菜白書」の中で、2〜3年後の惣菜調理状況予測についてまとめている。その中で、食品スーパーでは店内で揚げる、炒める、焼くなどの最終調理をする商品の売上げ構成比が70%と高いが、同時に自社あるいはグループのセントラルキッチン(CK)からの仕入れ割合が増加するとも予測している。
 食品スーパーでは「店内で完全調理」が08年の73.5%から2〜3年後に70.0%と微減。自社専用のCKは7.3%から9.3%に、グループのCKは0.6%から1.6%へそれぞれ増加すると予測している。他社からの仕入れも18.3%から19.0%に微増と予測する。

セントラルキッチンの稼働率を上げるため、
内製化を進めているスーパーもある

 店内調理による出来立て感の訴求は食品スーパーが持つ強みではあるが、その分、人件費がかさむ。特に08年下期以降の消費低迷、低価格化で、各社はオペレーションの見直しなどに力を入れており、センター化も選択肢の1つ。
 すでにセンターを活用しているスーパーでは、工場稼働率を高めるために内製化を進めているケースもある。
 他業態を見ると、惣菜専門店の場合、店内で完全調理が08年の81%に対し、2〜3年後も80.4%と同水準。自社専用のCKが14.3%から15.1%へと若干増え、グループのCK活用は08年も2〜3年後もゼロだった。
 CVSは店内で完全調理が5.9%から6.8%に増加。自社専用のCKは1.3%と他業態に比べて低く、2〜3年後も変わらない。高い水準にあるグループのCK利用は62.3%から64.4%と増加。他社からの仕入れは29.9%から27.0%に若干減少傾向にあると予測している。
 調査は惣菜専門店、百貨店、スーパー、CVSなど90社4万6899店を対象に、今年1〜3月実施した。