ナオミ、処理能力4倍の充てん機で省人化に貢献

充てんできる処理能力を従来
品の4倍に高めたマルチ縦型
4連ピストン充てん機

 小型充てん機で国内シェアトップのナオミは新製品の「マルチ縦型4連ピストン充てん機」を出品する。1度に充てんできる処理能力を従来品の4倍に高め、1台で多様な食品に対応できるようにしたのが特長。業界初の構造で省スペース、高洗浄性、低コストを実現した。10月10日の発売を前に初披露する。
 新製品は最大230ccのシリンダーを4連縦型に配置し、1分間に最大20ショットの充てんを可能にした。従来のマルチピストンタイプはシリンダー1つに切換え弁が1つ付いているのが主流だったが、同機では1つの円盤型プレートで4つのシリンダーを制御する。
 この業界初の構造によってサイズは一般的なマルチピストン充てん機の半分以下、価格は7割程度に抑えた。また、シリンダー部分と電気制御部分を完全に分離したことで、充てん部分だけを取り外して洗浄できるようにした。

1台で多様な食品に対応

 新製品は調理味噌などの中粘度物の場合、ホッパーから充てんし、ケチャップなどの低粘度物は原料タンクから直接吸い上げて充てんできる仕様にした。1製品に対する2度打ちや1つ飛ばしの間欠運転など従来のエアーシリンダー充てん機では難しかった充てんを可能にした他、各種エアカッター、カットノズルの装着で、もずくなど切れにくい食材の充てんにも対応できる。
 同社は卓上型充てん機の製造を得意とするが、人手不足を背景に最近は中規模以上の食品工場からコンベアライン用の充てん機の注文が増えているという。シングルピストンの充てん機を4〜6個並べた特注機で対応してきたが、それではサイズやコストアップを招いてしまう。また、アレルギーや衛生管理対策で洗浄性の高さも求められるようになってきた。そこで約1年を要して商品化にこぎつけた。
 同社は「同じ製品を1日5000食以上充てんする食品工場の機械化や省人化に貢献できる」と自信を見せる。
 FOOMAでは新製品の他、1台で液体(プリン)、粘体(クリーム)、粉体(トッピング)を充てんできる「パズル充填機RD703」(特許取得済)を出品する。品種替えはヘッド部分を交換するだけで、操作や洗浄も簡単に行える。「工場で充てん機を使う人は大半が女性。簡単に使えて持ち運びしやすく、場所を取らない」(同社)として使いやすさを中心にPRする。

    ヘッド部を変えるだけで液体・粘体・
    粉体に対応できるパズル充填機