食品の値上げラッシュが続く日本国内で10月1日に多くの飲食料品の価格改定が実施された。帝国データバンクによると、品目数は単月として最も多い約6500品目に上った。価格改定率は平均14%で前回調査(6月末)から値上げ幅が拡大した。相次ぐ値上げの影響は経済指標にも現れ始めた。
総務省が発表した今年8月分の消費者物価指数によると、総合指数は前年同月比3.0%の上昇だが、食料(生鮮食品含む)は4.7%の上昇で光熱・水道の15.6%に次ぐ高さとなった。生鮮食品に限れば8.1%の上昇だった。
こうした原材料や原油の高騰を背景にした値上げラッシュは日本だけではない。海外に目を転じると英国の値上げ状況は日本より深刻に映る。1カ月単位でインフレ率が加速している。
BRC(英国小売業協会)の発表によると、今年9月の店頭価格のインフレ率は8月の5.1%から3カ月平均を上回る5.7%に上昇したという。食料のインフレ率は9.3%から10.6%に大きく上昇した。生鮮食品に限れば10.5%から12.1%へ急上昇し、いずれも過去最高を記録した。
(缶詰・瓶詰めなどの常温保存可能な)アンビエントフードも7.8%から8.6%に上昇した。3カ月平均の7.4%を上回る過去最速の増加率という。
BRCのヘレン・ディッキンソン最高経営責任者は「ウクライナでの戦争が飼料や肥料、植物油の価格を押し上げ続け、生鮮食品のインフレ率を数カ月間にわたって大きく上昇させた。小売業者は巨大なコスト圧力と戦っている」とコメントし、英国政府に法人税の引き上げ撤回を求めた。