豚部分肉処理システム「CELLDAS」(セルダス)を初出品

 前川製作所は昨年11月にリリースしたばかりの豚部分肉処理システム「CELLDAS」(セルダス)を初出品する。冷熱関連では連続式急速凍結機「サーモジャックフリーザー」、CO2コンデンシングユニット「COPEL」(コペル)、高効率な自然冷媒冷凍ユニット「NewTon」(ニュートン)、水熱源エコキュート「ユニモWW」を出品する。

多機能な豚肉処理システム

 「セルダス」は1台で様々な原料肉を多様な形態・仕様に処理できる多機能な豚肉処理システム。かた・うで・もも・ロース・ばら肉などの原料に対応できる。

 原料となる肉はそれぞれ形や大きさが異なるが、セルダスは三次元外形画像とエックス線画像をもとに、人工知能が個々の原料の特徴を検出し、それぞれの原料に対しプログラムに応じた最適な処理を行う。処理の段階で原料の姿勢や形状が変わっても、そのタイミングで再度三次元外形計測して精度を保つ。

           豚部分肉処理システム「CELLDAS」

 FOOMAでは食肉市場向けのアプリケーション例として豚もも肉のかん骨・尾骨除去の様子を紹介するが、あくまでも一例であり、他にどんなことがができるのかを展示会に足を運び確認してみるのもいいだろう。

 同社はこれまで鶏もも肉の脱骨システム「トリダス」や、豚もも部位自動除骨ロボット「ハムダス−RX」、豚うで部位自動除骨ロボット「ワンダス−RX」などの自動処理装置を開発し、日本はもとよりタイ、ブラジルなど海外でも多数納入実績を持つ。

 「今はコロナで人手が足りない工場が多い。こうしたマーケットにセルシステムのセルダスをアピールしたい」(同社)。

 FOOMAでは9日午前10時半から会議棟607で「食肉のセル生産システム〜ロボットの新しい形」をテーマにプレゼンテーションセミナーを開催する。

サーモジャックは新ベルトで提案

 「サーモジャックフリーザー」はエアーブラスト方式に、スリットによる衝突噴流効果を加え、さらにスリット間を流れる「戻り風」を利用して凍結・冷却時間を2分の1から3分の1に短縮した連続式急速凍結装置。コンパクトで凍結効率が高いといった基本性能はもちろん、様々な仕様・オプションが充実しており、幅広い製品に適応している。

 ベルト洗浄装置や継ぎ目のない床(船底構造)、十分なスペースを持つ庫内通路など、細部にまで洗浄性を意識した構造にも着目したい。

 ベルトタイプもメッシュやスチールベルトなど多様なタイプに対応しているが、今回出品するサーモジャックフリーザーには「フラットワイヤーベルト」を装着した。

 一般的なメッシュベルトはベルトピッチが狭いため、付着した霜や氷が成長してベルトの「網目」が閉塞しやすいが、フラットワイヤーベルトはピッチが広く通気性が良いため閉塞しにくく、下面冷却効率を維持し、長時間運転が可能。冷凍麺などの水分が多い食品の凍結に適している。

   凍結・冷却時間を短縮した連続式急速凍結装置「サーモジャックフリーザー」

CO2冷凍機コペルF70新登場

 「コペル」はCO2直膨脹式のコンデンシングユニット。用途は産業用冷蔵庫やフリーザー、プロセス冷却など。すでに中型機の「F140(庫内温度−25℃対応で冷凍能力140kW)が全国で稼働しているが、今回は今年4月に発売したばかりの新機種「F70」(同−25℃で70kW)を出品する。

 CO2/アンモニア冷媒の高効率冷凍ユニット「ニュートン」は今年4月バージョンアップした新型を展示する。よりコンパクトになった。

 同シリーズは発売から14年の実績があり、累計販売台数は2700台を突破。省エネにより合計200万tのCO2排出を削減した計算になる。

 「ユニモWW」はヒートポンプを使い冷水と温水を同時に創り出す水熱源エコキュート。別名「湯沸かしチラー」とも呼び、冷水を作る際に奪った熱を大気に放出せず、温水作りに利用することで多大な省エネにつながる。化石燃料を使わずに温水を作れる点も環境にやさしい。

ユーザーとともに課題の解決を

 今回の出展コンセプトは「未来づくり〜イノベーション・フォア・ボーダレス」。同社が考えるSDGsを一歩先の未来へとつなげる「持続可能なエンジニアリングソリューション」として紹介する。

 「日本を除く世界45カ国に106事業所と8工場を持ち、国内ではほぼ全都道府県に拠点を持つ強みを生かし、得意先の工場に入って一緒に課題解決する会社であるという意味でもボーダレス」(同社)。コロナ禍が落ち着いてきた今だからこそ、ユーザーと二人三脚でイノベーションを実現する。
 ブース番号は4K−10。