サニタリー性を向上した新型トランスライサー初出品
アーシェルジャパンは日本の展示会で初出品となる「モデルＴＲＳ−2520」（トランスライサー2520）をメインにダイサーの「アフィニティ・インテグラ」と、食材を微細にカットする「コミトロール」２機種の計４機種を出品する。
今回の展示テーマは「世界�癸韻離�ッターでニューノーマルな時代にチャレンジする」。
コロナ禍により変化した環境に適した展示とし、従来行っていた生もののカットサンプル展示はしない。代わりに数多くのサンプル動画をタッチパネルで閲覧できるようにする。
「ブースに来場して頂いたお客様には、相談に応じたテストを東京ラボで実際に行って頂きたい。直接の来場が難しくても食材を届けていただければ当社でサンプルを作りお届けする。試験的ではあるが、オンラインでテストを中継する取り組みも始めたばかり。それがニューノーマルな時代の価値の提供と考えている」（同社）。
東京ラボには様々な部品を数多く在庫しており、様々なタイプのカットテストで仕上がりを検証できる。
アーシェル社のカッターを揃えているだけでなく、コンロやレンジなどの調理器具や、冷凍、冷蔵設備も完備している。
アーシェルジャパンの東京ラボ、各種設備が整っている
洗浄性が向上したトランスライサー
実機を展示する「モデルＴＲＳ−2520」は同社のカッターの中でも特に大量生産向けの機種。最大直径203mmまでの大型葉物野菜や長い野菜、フルーツを短時間で大量にカットする。
レタスを四角くカットしたり、ズッキーニを薄く輪切りにするといった用途はもちろん、キャベツ、白菜、大根、さつまいも、にんじん、じゃがいも、れんこん、ピーマン、長ねぎ、玉ねぎ、アスパラガス、インゲン、セロリ、バナナ、メロンなど幅広い野菜に対応し、直径25インチ（635mm）のカッティングホイールを交換することで、様々なサイズのスライス状、シュレッド状、ジュリアン状にカットできる。
食材をＶ字型のベルトで送り込むため高い精度できれいにカットできるなどの特徴は前モデルの「モデルＴＲＳ−2510」と同じだが、新型機はＨＡＣＣＰ対応でサニタリー性を向上している。配線や制御盤、モーターを内部に格納しステンレス製カバーで覆ったことで水や夾雑物の侵入を防ぐ。
カバーやフィードベルトは工具を使わずに取り外しができる。
米国では2020年に発売し、日本では昨年九州の食品企業がほうれん草などのカット用途に１号機を導入した。
サニタリー性を高めた「モデルＴＲＳ−2520」
カットしにくい食材も処理する万能型
「アフィニティ・インテグラ」はＲＡダイサーの後継機。従来の「ＲＡダイサー」の食材を送り込む独自の機構を継続しながらより馬力を高め、洗浄しやすい片持ち式の機構を採用したダイサー。ＲＡダイサーと同じくらいのサイズ感だが、パワーは約２倍の10馬力。
処理能力は食材や投入方法によって異なるが、時間当たり約１〜２ｔ。
対象食材はチーズ、ソフトミート、脂肪分の多い肉、低温製品、製菓製パン材料、漬物など。特にカットしにくい原料で威力を発揮するが、本来万能型であり、多くの野菜や繊維の強い食材にも向いている。ユーザーが求めるサイズに正確にカットする。
カットエリアの機構を見直して駆動軸を片持ち式に変更し、部品点数を減らしているので、従来のように多くの部品を取り外して洗浄し、組み立て直すまでの作業時間が大幅に短縮できる。
介護食やＰＢＦ等にもコミトロール
コミトロールは食材を微細にカットする装置。食材をペースト状やフレーク状にするが、すりつぶすのではなく、均一な粒子にカットすることができるので、摩擦による温度上昇が少なく食品の品質劣化を防ぐ。
近年は介護食製造への利用が増えており、ムース食・嚥下食やスープの製造によく使われるようになった。固いナッツをペースト状にする工程にも使われ始めた。
さらに、プラントベースフード（ＰＢＦ）への活用も始まっている。米国ではすでに大手ＰＢＦメーカーがコミトロールを採用している。
まだ実用段階ではないが、ＳＤＧｓなどの観点から食材の廃材をペースト状にして飼料に使うといった用途も検討されているという。
今回展示するのは「コミトロールモデル1700」と「同3600」の２機種。
ブース番号は２L−32。