冷凍食材の自動解凍機を中部電力と共同開発
自動解凍機「Ｓａｓｓａ」
業務用凍結・解凍機メーカーの�衂�豊フリーズシステムズ（奈良市、二宮一就社長）と中部電力は冷凍食材を短時間で高品質に解凍する自動解凍機「Ｓａｓｓａ（サッサ）」を共同開発し、２日発売した。
冷凍食材は急激に温めて解凍すると細胞からうま味成分が抜けだして品質が劣化する。通常は１日程度の時間をかけて冷蔵庫で解凍する。短時間の解凍方法としては電磁波や流水を使ったものがあるが、解凍ムラの発生や衛生管理が難しいなどの課題が残る。
今回の新製品は様々な冷凍食材の解凍条件に対し、最適化したミスト気流で解凍する「ミスト気流循環技術」（特許出願中）により、冷蔵庫解凍に比べて解凍時間を１／６以下に短縮できる。
たとえば−20℃の鶏肉60�圓鯲簑�庫で解凍すると24時間以上かかがるが、ミスト気流なら最短3.5時間で可能になる。
また、これまでは解凍棚の上下と中央では解凍速度に差があり、解凍ムラが発生したが、ミスト気流は均一に解凍する。
プログラミング機能も搭載しており、解凍完了時間をあらかじめ設定しておけば、自動で解凍を開始する。夜間解凍が可能になり、生産性や作業効率の改善が期待できる。
このほか、食材の中心温度のモニター監視や、庫内温度の自動記録・保管機能も備え、来年６月の完全実施が迫るＨＡＣＣＰに対応した衛生管理が行える。
菱豊フリーズシステムズは食品工場や学校給食センター、スーパーなどに提案し、年間60台の販売をめざすとしている。
「ミスト気流循環」による解凍原理のイメージ図
食品の出し入れはキャスター棚で行える、食品の入れ替えの手間を大幅に減らす