新たな店舗戦略で増収増益へ反攻

       会見する青木会長

 ほっかほっか亭を運営するハークスレイ(青木達也会長兼社長)はコインランドリーとの併設出店による新たな店舗戦略や物流子会社の外販拡大などを進め、今3月期に業績回復をめざす。都内で5月31日に開いた決算発表会見で青木会長は「前期のような恥ずかしい決算にならないよう頑張る」として、すでに各事業とも今期は順調な滑り出しであることを強調した。
 今期業績予想は売上高前期比3.5%増の480億円、営業利益27.5%増の8億円、経常利益15.3%増の13億円、当期純利益59.7%増の10億円と増収で大幅な増益をめざす。
 本業のほっかほっか亭は店舗の統廃合とFC化を進める。昨年後半から新メニュー投入と価格改定を段階的に行った結果、粗利率が2.5%改善し「FC店の中には店舗拡大に意欲を示す若いオーナーも出てきている」(青木会長)という。
 直営店のFC化を進めた場合、本部の収入はロイヤリティや食材の販売に限られるため減少するが、人件費などの固定費を圧縮できる効果がある。青木会長は「粗利率の改善がFC店のモチベーションアップにつながっており、FC店化が進めば本部の収益性は高まる。これからが楽しみだ」と期待を示した。
 コインランドリーの併設は約30店舗を展開している。コンビニ跡地の出店コスト対策として数年前から実験的に始めたものだが、共働き世帯の増加や家事負担の軽減ニーズ増を背景に「想定以上の好成績を収めている」(青木社長)。コインランドリーの利用率は米国で20%以上、日本で5%程度とされているが、青木社長は「10%まで高まっているのではないか」と見ており、訪問介護ヘルパーの利用頻度が非常に高いことを理由の1つに挙げた。
 「衣食」をワンストップで利用できる総合コミュニティとして今期から本格的に全国展開を開始する。そのため同社は定款を一部変更し、このほどコインランドリー事業を新たに加えた。

外販比率6割超へ、第2工場の建設着工

 物流子会社で原材料調達や食品加工も手がけるアサヒL&Cは外販を拡大する。精米センター(大阪府貝塚市)や食品工場「阪神カミッサリー」(兵庫県尼崎市)から白米や食材、惣菜を食品スーパー、ドラッグストア、コンビニ、外食などに供給しているが、外販比率は前期までに5割を超え、今期は6割を上回る見通し。好調な要因は惣菜加工現場の人手不足によりスーパーマーケットからの受注が急拡大しているため。
 青木会長はアサヒL&Cの外販事業を新たな成長の柱にしたい考えで、「今期は売上高50億円をめざす」とした。その上で「需要増に対応するため尼崎市内で第2工場の建設に着工した」と明かした。
 前期業績は食材価格や人件費の上昇圧力に加え、直営店の減少(FC化)、ベーカリー事業の不振などで減収減益となった。青木社長によれば今期3〜4月は持ち帰り弁当事業、店舗管理事業、物流事業とも幸先良く好調だという。ベーカリー事業については商品構成を見直して企画商品の充実など中長期的な成長施策を続けるとしている。