相模原にフードサービス用センター開設
国分相模原流通センター
国分グループ本社は３温度帯の国分相模原流通センターを神奈川県相模原市南区麻溝台に開設した。業務用冷凍食品やチルド、生鮮、加工食品、菓子、酒類、日用品など、給食事業者や高齢者施設向けの商品を主に扱う。
首都圏のフードサービス向けの物流は三郷第二流通センター（埼玉県三郷市）が担っているが、フードサービス事業が好調なことから新センターを開設して、東京世田谷を境に東側を三郷センター、西側を相模原センターが担当する。これにより物流の効率化を図る。
トラックの運転手が不足しているのを背景に、配送距離の短縮効果も期待している。圏央道の相模原愛川インターから3.5km、国道16号から３kmと、アクセスもいい。
DPL相模原、この１階東側（写真手前）が国分の新センター
業務開始は２月10日。スタート時は三郷センターが持つ2000軒の顧客のうち半数の約1000軒を移管し、当初105億円の通過額を見込んでいる。
低温フレッシュ・サービス統括部の土井弘光取締役常務執行役員部長は「三郷第二センターは2000軒が限界と見ていたため２年前から他の拠点の必要性を感じていた。得意先が相模原に多く展開していることと、大和ハウス工業のＤＰＬ相模原の１階を使わせていただけることから開設に至った。給食だけでなく、外食の顧客にも出荷する態勢を整えている」と、経緯を語っている。
多品種の小分けを安全・確実に
「ゲートアソートシステム」は自動で間口の蓋が空き、
必要数の商品を投入すると閉まる仕組み
未経験者でも簡単に間違いなく仕分けできる
国分相模原流通センターは大和ハウス工業が数年前に開設した物流センター「DPL相模原」の１階の約半分を使用する。フードサービス事業に対応するため、低温を扱える構造に改装した。冷凍と冷蔵エリアが大半を占めている。
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同社の三郷第２センターで培った多品種小分けシステムを導入している。
ゲートアソートシステム（GAS）は、１セットに３×12の間口を持ち、商品の入ったオリコンを所定の台に設置すると、必要な間口の蓋が空き、必要数の商品を投入すると閉まる仕組み。未経験者でも簡単に、間違いなく仕分けできる。20セット設置しており、多店舗を同時に仕分けることで作業の効率化、生産性の向上を実現した。さらに、バーコードとハンディーターミナルによる「ハンディアソートシステム」（HAS）も導入している。
365日欠かせない高齢者向けの給食供給を担うことから、安全性・確実性にも力を入れている。
ケースやコンテナが出てきたらここで受け取り、
指示に従いＧＡＳへ
段ボール箱を圧縮する装置（写真奥）も導入した
地盤がしっかりしている相模原だが、建物のＤＰＬ相模原は免震構造を採用している。国分のセンターはフードディフェンスのために監視カメラ32台を設置した。入退場にはセキュリティカードが必要。構内に入る時と出勤時の体調管理も行っている。入荷受付システムによる入荷車のデータ管理もシステム化しており、抑止力としての監視強化につながっている。
新センターは、災害時に三郷第二流通センターとリスク分散する目的もある。また、三郷相模原のセンターを活用して取引先と協業し、高齢化でますます需要が高まるビジネスの創出も視野に入れている。